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大倉順憲さんの日記

  • 2022

    1月

    14

  • クリント・イーストウッド監督「クライ・マッチョ」(試写@一ツ橋ホール)を観て。

     カウボーイハットで馬にまたがるイーストウッドを観れば、もう文句は言えない。  90年の人生を謳歌するイーストウッドと往年のマカロニ・ウェスタンに対する郷愁が交差しながらストーリーを追うが、案外平坦なお話だった。もう、役柄なのか実像なのかわからん極地に来ているぞイーストウッドじいさん。少々腰と背中が曲がろうとも、マグナムをぶっ放すハリー・キャラハンの姿が重なってしまい猫背矯正されてしまうし、若い...


  • 2021

    12月

    30

  • 柳町光男監督「さらば愛しき大地」(新宿ケイズシネマ)を観て。

     根津甚八の命日にあたる12月29日(水)。19時30分。  故郷奈良を嫌って逃げ出してから、今年でちょうど40年。 年末になると、少し郷愁にかられる事もあるけれど、やはり俺は田舎が嫌いだ。昭和のバカヤンキーが化石の如くのさばり、息も出来なくなるほどの閉塞感、排他的思考。だだっ広い野原を見ていると脳味噌がかゆくなりイライラしてくる。    茨城の田園と森を眺めていたシャブ中根津甚八の眼には...


  • 2021

    12月

    23

  • 矢沢永吉 CONCERT TOUR 2021「I'm back!! ~ROCKは止まらない~」(日本武道館)を観て。

    12月21日(火)1階南スタンドA列13番。  来年でデビュー50周年の永ちゃん。72才。彫り刻まれたシワだらけの笑顔で、絞り込んだ肉体を最大に駆使して動き回る姿には、男の哀愁を感じる。ミック・ジャガーのスタイリッシュなステージングとは対極的だ。ロッド・スチュアートを真似たマイク・アクションの際、生じる「ゴツン!」というマイク・ノイズも、今迄観た中で、最も大きなボリウムに思えた。それは気合いの入...


  • 2021

    12月

    20

  • 劇団KⅢ公演「黎明記」(日暮里d倉庫)を観て。

    12月19日(日)15時。千秋楽。  劇中に出てくる金髪女性「ハル」と「ナツ」は、村上龍の「コインロッカーベイビーズ」に出てくる「キク」と「ハシ」、もしくは黒澤明の名作「隠し砦の三悪人」で千秋実と藤原鎌足が演じた役がモチーフとなっているのだろうか。時代劇の扮装で剣戟エンタテイメントを謳っているようだが、近未来の日本における紛争を描かれているようにも思わせる意欲作だった。  しかし、小劇場の空間...


  • 2021

    12月

    13

  • ジャン=リュック・ゴダール監督「ワン・プラス・ワン」(新宿ピカデリー)を観て。

     土曜日の昼下がり。「チャーリー・ワッツ追悼」のコピーを見てしまうと、ストーンズマニアなら線香の1本でもあげに行かねばならない。いざ新宿へ。すると意外にもロビーに若い女性がたむろしている。あ、「嵐」の映画が掛ってるからか。いい年こいて、何が「嵐ぃ~嵐ぃ~おぅいえぃ~」だ。ビートルズは、20代中盤で、ロックの金字塔「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を作ってるンだぞ。このスト...


  • 2021

    12月

    10

  • 園子温監督「「エッシャー通りの赤いポスト」(六本木アスミック・エース試写室)を観て。

     「俺」印の旗をはためかせ疾走する園子温を、かつて中野にあった武蔵野ホールで観たのは、今から30年程前だ。確か「自転車吐息」と「俺は園子温だ!」の併映だったと思う。上映後、黒のトンビを羽織り、サングラスにシルクハット姿で出口付近に佇んだ挙動不審の園子温は、「ありがとうございました」と聞き取れないほど小さな声で呟いていた。エロスと暴力を執拗に描き、まるで犯罪を肯定化するような過去の作品群は、監督自身...


  • 2021

    12月

    05

  • 宮岡太郎監督「成れの果て」(新宿シネマカリテ)を観て。

     日曜日の昼下がり。新宿で買い物のついでに、ふと観に寄った。劇団で掛けた芝居を映画化したというコピーに興味がわいたからだ。出演者全員、誰も知らないけど、皆テンション高く魅力的だ。でも、緊張感の連続は、今の俺の年齢にはちょいとつらい。もうちょっと遊びのあるシーンが観たかった。よく作ったとは思うけど(ロー・バジョッドなのは察するが)。劇的な演出、たっぷり過ぎる感情の起伏シーン、閉ざされた空間だけのカッ...


  • 2021

    12月

    04

  • 纐纈あや監督「ある精肉店のはなし」(ポレポレ東中野)を観て。

     住宅街の中、肉牛を屠場まで引いていき、割る(殺す)という冒頭から最後まで、片時も目が離せないほど説得力あるシーンの連続。牛、肉、皮、血、そして血族、土着民…生きとし生けるものの生と死。部落差別へのメッセージ性も、刺激的になり過ぎずにひしひしと伝わってくる。後半に訪れる屠場最後の解体シーンが、冒頭に感じたグロテスクなものよりも、なんだか愛おしく思えてきた。上原善弘の「路地の子」を読んだ後だったので...


  • 2021

    10月

    30

  • キャリー・ジョージ・フクナガ監督「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(新宿TOHO)を観て。

     20数年前、吉祥寺にあった丹波哲郎邸に番組制作の為、1年間程通った事があった。武家屋敷のような門を入ると、保護樹林がそびえ立ち、外車が悠々と数台駐車出来るスペースがあり、屋上に上がると、何故か広々としたヘリポートが存在した。個人宅にだ。丹波さん曰く「007で、ショーン君と共演して帰ってきたら、この家が出来てたンだよ。ボンドがヘリで来るかも知れないからね。ワハハ…」と、あの、なんとも胡散臭い低音響...


  • 2021

    10月

    17

  • サム・ペキンパー監督「ワイルドバンチ」(DVD)を観て。

     迷った時には、ワイルドバンチ。何回観ても惚れ惚れするシーンの数々。アクション映画の金字塔。「サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」だ。(ビートルズは関係無いけど)。 どれだけの日数を掛けて、あんな荒野で撮影したのだろうか。キャストとスタッフの心意気と情熱があったのだろう。疲れるぞ。凄く。    観るたびに、アーネスト・ボーグナインが曽根晴美、マパッチ将軍役のエミリオ・フェ...


  • 2021

    10月

    15

  • 森崎東監督「喜劇 女は男のふるさとヨ」(神保町シアター)を観て。

     映画館が、どよめく程の笑い声に包まれたのを経験したのは、いつぶりだろう。浅草六区にあった名画座で「男はつらいよ」シリーズ、「無責任男」シリーズを、観た以来ではないだろうか。  森繁久彌がタイトルロール筆頭、主演扱いになってはいるが、余裕の脇に回った芸達者ぶりを見せていた。「駅前シリーズ」「社長シリーズ」という大衆向けの喜劇を当て、「夫婦善哉」で文芸路線に乗り、「屋根の上のヴァイオリン弾き」...


  • 2021

    10月

    10

  • 瀬々敬久監督「護られなかった者たちへ」(渋谷TOHO)を観て。

     東京五輪女子ボクシングの決勝戦。入江聖奈は笑顔でジャブをカメラ目線で打ちながら入場し、金メダルを獲得。エンゼルスの大谷翔平は、死球を受けようが敬遠されようが、笑顔で対応。白く灰になった矢吹丈や、目の玉が燃えている星飛雄馬は、もう流行らないのだろう。    「笑顔」か。笑っていれば本当に良いのだろうか。  倍賞美津子さん演じる老婆(見事だった!)は「いつも笑顔で」を繰り返していたが、口角を上...


  • 2021

    10月

    09

  • ルネ・クレマン監督「太陽がいっぱい」(DVD)を観て。

     久々に観ると、<名作>というよりも、<世紀の美男俳優アラン・ドロン>の売り出し大作戦映画、と感じた(当時、1960年の映画産業事情は知らないが)。「死刑台のエレベーター」で売り出したモーリス・ロネの、ふてぶてしい演技が良いから、ポーカーフェイス、いや、仏頂面のアラン・ドロンが映えたのでは?もちろん、ドロンの容姿端麗は文句のつけようが無いが。「美女だけど演技は勉強中です」なんて女優が「謎の女」とい...


  • 2021

    10月

    06

  • ジャン・ルノワール監督「大いなる幻影」(DVD)を観て。

     ワクチン未接種者、ノーマスクの人は蔑視され、協力金をもらう飲食業者が妬まれている(と感じる)昨今。復帰した感染者~芸能人はそれをネタに出来るけど、下々の民は、職場で家庭で、平和に受け入れられているのだろうか。おまけにスマホを持たないと生活が不便になるらしい(自分は現在所持してないが、何も不便ではない。)持ってないと少し異端視されているように感じる。バカか。そんなもん持ってなくても、ある程度の情報...


  • 2021

    10月

    02

  • 吉田恵輔監督「空白」(新宿ピカデリー)を観て。

     29年前の夏、『人を殺した』と思った。 障害者の山の会にリーダーとして参加し、(確か)十数人の子ども達と三頭山へ登り、ふと目を離した隙に、当時18才の女の子がいなくなってしまったのだ。最初は気楽に「そこら辺にいるンじゃない」と言ってたが、捜せど捜せど見つからない。地元の警察、消防団、レスキュー隊、警察犬…大掛かりな捜索になればなるほど自分の立ち位置を見失い、先輩のリーダーと闇雲に奥多摩の山々を...



大倉順憲

ゲストブロガー

大倉順憲


月別日記