聾唖者役永瀬の手書きメッセージ、國村隼と中国老女のボディ・ランゲージ、そしてラストの無言。電話、ガラケー携帯、手紙。コミュニケーション・ツールの再認識を考えさせられる。それだけに、テレサ・テンの「グッドバイ・マイ・ラブ」が効果的に映えた。スマホなんぞ要らんのだ。
奈良の観光PR映画になってないところが秀逸。それじゃあつまらんもんね。(奈良県出身者としては)國村隼、永瀬正敏以外は、誰が俳優か素人なのかわからんとこも良し。劇団EXILEが出てるらしいけど、そんなもんどうでも良し。あ、酔っ払いの先輩役は、大杉漣さんの「教誨師」に出てた五頭岳夫さんだ。こういう肩肘張ってない俳優さんは良いなあ。北見治一さんの雰囲気に似てる。「車内電話」の淡々とした台詞で、同伴女性号泣。(鼻をすする音がイビキに聴こえて寝てるのかと思ったけど)いや、ここは良かった。カタストロフィーに向かうのに、脚本のアイデアが秀逸だったの感心しちゃって、俺は泣けなかったけど。
〈ついでに〉
オバアチャン、猿沢池にカニは入れないでね。さるかに合戦になっちゃうから。亀は助けてくれないよ。あ、竜宮城は中国の伝説だったっけ。
〈おまけに〉
エンディング・ロールを観て。チェッ。やっぱり河瀬直美が絡んでやんの。ま、そういうことか。しょうがねえか。