大倉順憲さんの日記
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2021
9月
21
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ビリー・ワイルダー監督「サンセット大通り」(DVD)を観て。
高校卒業して40年。とても真面目に不マジメに生きてきた。分かれ道は迷わず楽な方へ。休みなく働いたことなどない。ゴールデンウィークは毎月ある。朝酒昼酒おかまいなし。 振り返れば恐ろしい。そしてありがたい。こんな田舎者の俺でも東京は受け入れてくれたのだ。フトコロ深いぞ。(知らないか。俺のことなんて。)貧乏とはいえ毎朝コーヒーを飲み、夜は酒を呑んでいる。部屋を追い出されたら次の部屋に潜り込む。借金...
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2021
9月
17
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ジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン監督「雨に唄えば」(DVD)を観て。
今日は雨が降るらしい。そんな時は久々にこのDVDを観ようと心に決めてから、早朝近所のコンビニに出掛けた。途中、水道道路の下を潜るトンネルがあるのだが、そこで朝っぱらからなにやら撮影をしている。スタッフの様子を見ると、どうやら地上波テレビの撮影のようだ。なぜなら私は撮影スタッフの持つキャメラや録音スタッフの物干し竿マイク、車止めをしている制作スタッフのインカム等で分かってしまうのだ。私がベテランだ...
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2021
9月
14
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デレク・ツァン監督 「少年の君」(新宿武蔵野館)を観て。
主演のチョウ・ドンユイ。おお。あの「サンザシの樹の下で」(監督;チャン・イーモウ)に出てた娘か。あれからもう10年か。立派な女優さんになって、もうオジサンは嬉しいぞ。 http://www.webdice.jp/diary/detail/6395/ チンピラと優等生の恋。なんだか梶原一騎の「愛と誠」みたいじゃないかと思ったが、サスペンスフルな細かいカット割りと、次々に起こる事件で引きつ...
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2021
9月
12
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山田洋次監督「なつかしい風来坊」(DVD)を観て。
俺は〈不良〉が嫌いだ。〈不良〉の定義は様々あるだろうけど、ここでは自称他称〈ヤンキー〉とか〈輩〉と呼ばれる奴らを言う。ほぼ俺の偏見のみで記しておく。 ガニマタで歩き、道端に唾を吐き散らし、ファッションや持ち物は値段が高くて大きく目立つモノを好む。権力志向を持っていて、上下関係に厳しい。口のきき方にもうるさい。そのくせ、上の者の陰口を叩き、下の者をボロ雑巾の様に扱う。ひとりで行動できない。徒党...
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2021
9月
10
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前田哲監督「老後の資金がありません!」(東映試写)を観て。
老後っていつからなんだ。国民年金が支給され始める65才なのか。だとしたら、年金に入ってない俺はいつからなんだ。そもそも年金どころか、定年の無い、就職したことも無い、ろくでもない男には、老後なんてものは無いのだ。〈一生感動 一生青春〉だ。みつをだ。それも疲れる。 〈コメディ・エンターテインメント〉と銘打たない方が良かったのではないだろうか。 黒澤明は自作「用心棒」を〈喜劇〉と称した。こ...
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2021
9月
08
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トマス・ヴィンターベア監督「アナザーラウンド」(新宿武蔵野館)を観て。
立原正秋が毎朝ビールの小瓶を1本呑むと氏のエッセイで読み、池波正太郎が散歩の合間に神田の蕎麦屋でビール(大瓶)を呑んでからカレー南蛮蕎麦を食すると聴き、山口瞳が書いた「酒呑みの自己弁護」が如く俺も時々朝酒昼酒でキメてしまうのだが、何も諸氏の素晴らしい作風の恩恵も授からず仕舞いで、これこそ自己弁護、いや自己逃避だ。 そんな俺の尻を押して手足を天国にまで引っ張っていってくれた今年イチバンの洋画。...
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2021
9月
05
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サム・ペキンパー監督 「ガルシアの首」(DVD)を観て。
およそ30年ぶりに観た。近頃の世間に渦巻く何もかもを、スカッとブッ放す映画が観たいと思ったからだ。すると、意外にスカッとしなかったのだ(良い意味で)。言わずもがなアクションシーンは抜群だ。それと新たに気付いたところは、極度に残酷なカット(娘の指折り折檻、首切断など)の替わりに実景などを差し込んである(DVDで静止画像に出来るようになったせいもあるが)。バイオレンスにも情緒があるンだよ。恥じらいです...
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2021
9月
04
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チャールズ・ウォルターズ監督「イースター・パレード」(DVD)を観て。
鬱々とした生活環境にならざるをえない昨今。スカッとした映画を観にいこうとネットで調べてみても、チマチマした話や、どうでもいいアイドルもどきの恋愛映画ばかりでウンザリしてしまい…あ、思い出したぞ。これだ。俺、持ってたンだDVD。フレッド・アステア。素晴らしい。不世出のエンタティナーだ。子どもとの「ドラム・クレイジー」なるダンス・シーン(ワンカット!)だけ観ていても爽快な気分になる。改めて観て、ジュデ...
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2021
9月
01
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濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」(TOHOシネマズ新宿)を観て。
地味なタイトルとキャスティング。おまけに3時間という長尺。村上春樹が原作だとしても、カンヌで脚本賞をとってなきゃ観てない映画だろう。演劇テキストになるような稽古風景と俳優達の心象が描かれていた。これもなんだか珍しい。おそらくここら辺は、原作には無い部分であろう。サーブ900車内での岡田将生、一世一代のワンカット。北海道の雪山をバックにした西島秀俊の長台詞。リハ散々やったンだろうなあ。想像するだに恐...
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