花街の街並み、風情、そこに生きる猥雑な人々に郷愁を感じるのは、やはり出自のせいなのだろうか。それとも憧れなのか。今はもう、故郷奈良において花街は、ほとんど存在しなくなったが、旧友の実家であるお茶屋で呑んでいると、とても安心して居心地が良い。今でも出来ることなら、置屋の居候なんかをきめこみたいと思っている始末だ。根っからのヤドカリ気質なのか。
そういえば、遠い親戚が向島にいると聞いたな。近いうちに散歩でも行くか・・・と正月早々、ロクでもないことを夢想させた本編でした。あの美人女優、山本富士子がこんなにキャピキャピ遊女を演じきっていたとは、知らなかった。芥川比呂志の陰りあるインテリぶりも良い。