~百々ちゃんは天才バカボンのパパなのだ~
おっ、ツインドラムになっている。前回もそうだっけ。クアトロは下手側に太い柱がズンと鎮座ましましているので、死角があるのだ。しかも下手側のドラムは女の子。しかもカワイイ。(いいぞ!)ツインドラムなんて観るの、めんたんぴん(70年代に活躍した金沢のバンド)以来じゃないか。まあ、浦田賢一さんが仕切っているHAKATA BEAT CLUB なんていうドラムだらけのバンドもあるけど。出のOPからMCが始まる。普通曲だろ!ガツンとした曲!しかも「僕たちのことは見なくていいから、ここにあるお酒全部呑んでください。呑まないと帰しません」などという百々ちゃんのユルユル感まるだしMCなのだ。このMCで今回のLIVEの色と方向性がわかるオモシロい演出だ(本人の策略じゃないかも知れないけど)。
Voの百々は造園業も営んでいるという。天才バカボンのパパと同業者だ。アニメOPのテーマ曲~「♪西から昇ったお日様が東に沈む~」「♪柳の枝に猫がいる。だからネコヤナギ」この不条理をすべて「これでいいのだ」と肯定してしまうバカボンパパのフトコロの深さ。振り幅の大きさ。「天上天下唯我独尊」とのたまって生まれてきたバカボンのパパ。植木の剪定をするときには、目の前で枝を切る主観性と、木の全体を俯瞰で見る客観性というバランスが重要だ。バカに見えてもバカだけでは務まらない。泥酔とシラフ、平凡と非凡、狂気と正常、不条理と条理、そして絶望と希望の間を流れる河に飛び込んだ百々和宏。不惑の年を迎えた彼だからこそ、泳ぎきって欲しい。ロックローラーは50才からなのだ。
[付録]
M⑥「さよならの向こう側」百恵ちゃんのラストソング。この曲を唄って武道館にマイクを置いたのは伝説になっている。百々の少し脱力感を感じる歌が沁みた。(喫煙所でも「あの曲泣いたわよねえ」と若い娘が云ってた。百恵ちゃんの歌って知ってるのか?あ。「百」つながりで選んだのか?)
M⑫「ロックンロールハート」(イズヒアトゥスティ)この田舎モンの上京物語みたいな歌詞は、困っちゃうんだよね。オジサンは、つい涙腺がゆるくなるのだ。
M⑬「はなぢぴゅー」シーナ&ザ・ロケッツの「レモンティ」と一緒のカンジです~というMCに失笑してしまう。だけどあれは「甘くて酸っぱいレモンティ」と唄ってるけど、これ「ライク・ア・ローリングストーン」って、そのままやん!おもろいけど。
M⑮「悪女」エンディングに向けての絶叫絶唱は、サンボマスターを超えたのだ。
アンコール:「ロックンロールハート」
今迄、売れセンと個人の想いがこもったセンとのモラトリアムなところで勝負してたと 思うのだが。これ、売れるんとちゃいますか。アンコールに持ってきてるというとこら へんから、バンドの心意気も感じるし。
[別冊付録]
レコ発ツアーの最終日のクアトロ。おつまみの屋台を出したり、チョウチンをぶら下げたり、右サイドから演奏したり、アフター5のカラオケ大会などなど、全体演出がかなり行き届いていた。(かつての田口トモロヲさんのLIVEを思い出した)それとともに、音がバンドサウンドになっていた。それもかなりの結束力だ。バンド全員で乱交パーティーでもやってるんじゃないかと思わせたのだぞ。セックス!ドラッグ!ロックンロール!さんせいのはんたいは、さんせいなのだ!