最初に観たのは30年程前だったか。まだ俳優としての華々しい未来を無理矢理信じていた頃だった。「アメリカン・グラフィティ」で確かな足跡を残した、あのリチャード・ドレイファスが売れない役者を演じてるのだ。感情移入しないわけがなかった。「ああ、ドレイファスのように、俺にもチャンスがやってくるかも」と、ああ勘違い。そしてフェイド・アウト。今、観てみると、ふだんの生活まで芝居の台詞調になってしまっているのが滑稽でおかしい。少し哀れにも感じる。もちろん、ニール・サイモンの脚本なんだからさ。マーシャ・メイソンは良いんだけど、惚れるような女かね。子持ちでスタイルも良いことないし。やはりニール・サイモン夫人だったから、っつーことか。なんだか純粋な気持で観れなくなったなあ。