2016-08-29

中間健詞監督 「パンチメン」(西神田 ワイルドファイア・スタジオ)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

仁科貴の人柄が、にじみ出た快作。いや、仁科本人と監督がにじみ出させたのであろう。なんだかだんだん主役が似合ってきたぞ、仁科貴!しっかり堂をとって遠慮しない方が、性にあってるのだろう。ここら辺は意外に父上のDNAは引いてないんだなあ。
関西弁が持つ独特のテンポのコメディタッチで進んでいくので、うっかり観ていると、端々に散りばめられている細かい布石を見落としてしまいそうだった。
「マジンガーZ人形」「そろばん」、そして極め付けの「どん兵衛」には泣かされたぜ。
ラストに対戦するメイン2人が持つタマシイ(トラウマ)の幻影が、結構ドシーンと深い意味を持つ。映像ではリングで対戦しているけど、このタマシイの幻影たち(少年期の主人公と、殺してしまった負債者)が格闘しているのではないか。そして迎えるエンディングが、意外にも(!)感動のラスト。予想された展開ではあるがそれがまたツボにハマって気持ち良い。無名だけど、必死のパッチの役者たち。特に、友人役の南谷峰洋の満点のボケボケさと、ラウンドガール役の柴田千紘の120点の可愛さに救われた。
「中年リーマン・コメディ・浪速のロッキー・リストラ編」といったカンジか。劇中の台詞にも出てきたが、中年の居場所を考えさせられた映画だった。是非続編を観てみたい。

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大倉順憲

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