大倉順憲さんの日記
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2011
12月
27
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萩原健一映画祭 蜷川幸雄監督「魔性の夏~四谷怪談より~」(銀座シネパトス)を観て。
う~ん。ショーケンはいつもの如くカッコよろしいんだけど、演劇的な絵と展開がしっくりこないなあ。演劇は演劇、映画は映画じゃないか。寺山修司の映画じゃあるまいし。ちょっと鼻につくなあ。痩せてた頃の石橋蓮司さんが良い。眉毛をつぶした小倉一郎さんが良い。端役で加藤善博さんが出てたのは知らなかった。目黒の公園のジャングルジムでクビをくくって自死した加藤さんだ。加藤さん、この頃は死ぬなんて考えもしてなかったろ...
萩原健一映画祭 神代辰巳監督「恋文」(銀座シネパトス)を観て。
25年ぶりに観た。美術の先生役のショーケンが、部屋の窓にマニキュアで絵を描くシーンに感化されて、当時住んでた沼袋のアパートの窓に水彩画を描いたっけ。とにかくこの頃のショーケンは、天才的な感性のカタマリのようだ。めちゃめちゃ良い。今、50近くになって観ると、高橋恵子と倍賞美津子の間を揺れ動く男の気持ちがよく分かる。男は勝手な生き物だ。こんな理解ある女性(しかも美人!)の狭間でもがき苦しむ(いや、ショ...
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2011
12月
19
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五社英雄監督「薄化粧」(DVD)を観て。
欲望の誘惑にかられるままに酒と女に溺れ、金を遣い、妻子まで殺してしまった男の逃亡劇。 彼にシンパシーを感じてしまう自分が怖い。犯人を執拗に追いかける川谷拓三さんの抑えた芝居が心を打つ。緒形拳さんを立てているのか?生前の川谷さん家を訪れた時、壁に「王将」「緒形拳 川谷拓三 三谷昇」と毛筆書きの半紙が貼ってあった。緒形さんの趣味である書の影響を受け、書き始めてたらしい。坂田三吉の役は緒形さんだったの...
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2011
12月
11
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WAHAHA本舗PRESENTS ポカスカジャン「ぐっじょぶ」(渋谷CBGB!!)を観て。
タイトルどおり、なかなかの「ぐっじょぶ」。ちょっと”ネタ見せ”的なところもあったkど、そこはちょいとユルイ感じで良い。リーダーが締めるところは締めるし。それとこれはワハハの公演を観て、いつも思うことだが、お客さんが皆暖かく優しい。
川谷拓三映画祭 原田眞人監督「さらば映画の友よ インディアンサマー」(銀座シネパトス)を観て。
「タクシードライバー」をモチーフにしているらしい。ラストの殴りこみのシーン。デニーロに負けてないと思うぞ川谷さん!この映画、あまり当たらなかったと思うけど、僕は大好きな映画です。
川谷拓三映画祭 斉藤武市監督「河内のオッサンの唄 よう来たのワレ」(銀座シネパトス)を観て。
久しぶりに川谷さんをスクリーンで観た。しかも名画座。古びたロビーに飾られている、川谷さんの写真、愛用のジャケット、30年以上前の雑誌の記事、奥さんとの2ショット写真(新婚当時!)…これを観るだけで、涙が出てきそうになった。映画は、同名タイトルの続編。1本目は以前、テレビで深夜放送されたのを観たおぼえがある。川谷さんが「仁義なき戦い」から「前略おふくろ様」で一躍スターの仲間入りをした頃の、主演映画だ...
ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」(帝国劇場)を観て。
帝国劇場100周年記念企画の公演。100年かあ。阿知波悟美さんが、意外にも(シツレイ!)歌が上手かった。いや、全員、歌唱力、ダンスがお上手。日本のミュージカル界も、ここ20~30年で、かなりレベルアップしたのではないか。身体能力、技術の向上はもちろんのことだけど、手足が長くなって見栄えが良い。あとは、アンサンブルに野郎っ気が見えると良いのだが。
ベネット・ミラー監督「マネーボール」(新宿ミラノ座)を観て。
アメリカの野球界におけるGMの役割が、よくわかった。最近、巨人軍の内乱があっただけに、なおさらだ。大根だと思っていたブラッド・ピットが案外良い。フィリップ・モア・ホフマンが、抑えた演技で良い。
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2011
12月
04
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羽住英一郎監督「ワイルド7」(試写)を観て。
少年キングに連載されていた「ワイルド7」。35、6年前だろうか。テレビドラマ(実写)で放映されていて観ていたことがあった。テーマミュージックの「ワイルド7~♪」というサビの部分だけはよく覚えている。黒の皮ジャンにバイク。バイクに乗ること自体が、ややアナーキーなイメージがあった頃だ。皮ジャンも不良と呼ばれる人達しか着られない世の中だったと思う。主演は小野進也。(最近あまり観ないけど、商売変えをされた...
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2011
12月
01
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アルバート・メイスルズ監督「ポール・マッカートニーTHE LOVE WE MAKE 9.11からコンサート・フォー・ニューヨーク・シティへの軌跡」(試写)を観て。
冒頭、ポールが「9.11の時、どこにいたか」というインタビューに答えている。白人特有の高齢になってからのシワの多さに「さすがに老けたな」と感じていたら、次のカットがスタジオリハだ。ここでも「肉体もさすがにたるんじゃったなあ」と観ていたら、いきなりポールが「アイム・ダウン」を唄いだす。あのカールへフナーのヴァイオリン・ベースを持って!カッコイイー!やっぱロッケンローラーだぞ!いっきにビートルズに夢中...
ブライアン・クック監督「アイ・アム・キューブリック」(DVD)を観て。
クセモノ俳優ジョン・マルコビッチが、鬼才スタンリー・キューブリック監督を騙る詐欺師を演じるというので観たけど、イマイチ。「何故、詐欺を働くようになったのか」「何故キューブリックなのか」「何故ゲイなのか」が語られていない。(本物のキューブリックがゲイかも知らないけど)それに、最初のテロップで「これは実話…のようなお話」とあったけど、確か15年程前のイラン映画で「クローズ・アップ」(アッバス・キアロ...
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