確か今から31年前の冬。大阪府八尾市の百貨店の中にあったホールで、東京キッドブラザース「朝日のあたる家」というミュージカルを観た。ひとりで観た。たぶん誰も誘う友人がいなかったんだと覚えている。この観劇が、上京してミスタースリムに入るキッカケになった。当時は、柴田恭兵さんが絶大なる人気で、テレビの刑事ドラマなんかでバリバリ活躍されてた頃だ。「俺もスターになるぞ」と、憧れとはち切れんばかりの夢を抱いて、夜行バスに乗って東京に出てきたなあ。まあ、それからイロイロあったけど、最初に見た八尾の舞台の事は忘れられない(内容はほとんど忘れてしまたけど)終演後、ロビーに役者が並び、観客と握手会。俺は、痩せてオカッパヘアーの女優さんと握手してもらった。今だったらこっぱずかしくって、握手なんか出来ねえだろうけど。その女優さんが、今回のこの舞台にもまだ出てた!北村易子さんだ。もうおいくつだろう?あの八尾の舞台とほとんど何も変わっていない。北村さんも、他の役者さんも、音楽も、芝居もだ。平均年齢50才はゆうに越している役者さん達だぞ。いいのか、ノスタルジーで。いいのだろう。ノスタルジーで。「愛と連帯」を伝え続けていくということは、決して悪くはない。悪くはないけど。「昔のまんまやん!」で、いいのか。「欲望という名の電車」を20代で(確か?)演じた岸田今日子さんが、60才ぐらいでもまだやってたし。「炎の人」を滝沢修氏が80才を過ぎても、まだやってたし。ん~。でも、いいのか?とても懐かしくもあり、ウレシクもあり、大きな疑問符が残る芝居だった。俺もリーゼントやるか!?