5月9日。19時半スタートのはずが、15分押してもまだ始まらない。40人ぐらいだろうか。満員の客のオーダー等を、店主がさばききれてないようだ。こういうのって、段取りが悪いだけなのだから、あまりねえ…と思っていたら、告井さんが、いきなり会場後ろのトイレから出てきた。センチメンタル・シティ・ロマンスのギタリスト。黒いTシャツにジーパン。トイレから登場してきたミュージシャンって、他にいたか?[SGT.ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド][アイ・アム・ザ・ウォラス][マーサ・マイ・ディア]をメドレーで。ひとりビートルズって、初めて観た。ギターからベース、メロディラインまでアコギ1本でやってしまう。「完コピやってて考え付いたのですが、ビートルズの曲って皆知ってるから、無理に音を出さなくても、皆さんが心の中で出してくれる…と気付いたんですよ」という告井さんのMCには大共感。だからこそ「ガール」の鼻息の音や、「ブラックバード」の小鳥のサエズリなんかをやってくれると、「それ!それ!」と嬉しくなってしまったのだ。まさに職人芸。たいして弾けないのに、ギターを触りたくなる夜だった。