先日、奈良に帰省した際、32年振りに高校の同級生[上林]に会った。[上林]は、乾杯をしようとする俺にいきなり「大倉先生!うちの息子を頼んます」と、あるバンドの白盤を手渡した。バンドの名前は[ユナイテッドモンモンサン]。なんじゃこりゃ?と[上林]に聞くと、息子がドラムで参加していて、メジャーデビューしたそうだ。「大倉先生」には困ったもんだが、同級生の息子が東京でライブをやるというんだから、気になって後日新宿ライブに駆けつけたら・・・ああ、なんと!久しぶりにパンチのある女性ボーカリストだ。松岡恭子。カラダ全体で唄っているのが良い。70年代のロックシーン、いや演劇シーンを思い出す。30~40人ぐらいの観客に、手拍子を乱暴に強制するのが小気味良い。新宿のど真ん中で。もちろん関西弁でだ。近頃のバンドは、「皆さん、良かったら手拍子をお願いします…」と、気取っているのか自信が無いのか、蚊の鳴くような声でMCをやるヘナチョコが多いので、潔く感じる。
楽曲「君だけのキス」の歌詞は~内気な男が「君とのキス」によって宇宙からの光がさした~となる、まるでヒキコモリ鬱病患者がカミングアウトすることで、霧が晴れたように回復に向かうかような内容で、これは彼女と同世代のタマシイに響くのではなかろうか。
ほとんどの楽曲を彼女が作っているらしい。ライブパフォーマンスとの躁鬱的振り幅が良い。
僭越ながら、俺が彼らのステージングを演出してみたい。まだまだパフォーマンスのリミッターは上げられるはずだ。リミッターを超え、エッジ向かっての表現の方が、歌詞の内容にも即したモノとなりうるであろう。いやいや、これはオッサンの懐疑的趣味であって、このぐらいが良いかも知れないなあ。やり過ぎると暑苦しく感じるかもね。オンナ[サンボマスター]ぐらいにはなれると思うんだけどね。近々の東京ライブにも参戦を希望致します。[上林]息子ガンバレ!オヤジは越えれるぞ。