2011-10-31

A.M.D企画「ナイフとリンゴ」(シアターコレド)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 やはり70年代演劇のなごりが身に沁みているのだろうか。エンディングで、何かドカン!とやって欲しい。それがカタストロフィに行ってもいい。そしたらカーテンコールで救ってくれればいいのだ。この作品も、タイトルどおりに「ナイフ」のドカン!と「リンゴ」の救いはあったのだけど。・・・いっそのこと、アイドル役の女の子を殺して欲しかった。アイドルという虚像の世界と青森のリンゴ園という大地に根をはり実存する世界との間に揺らいでいる女の子を、「死」もしくは「血」を見ることによって救い出して欲しかった。アイドルが「歌」への思いを語るには、説得力が無さ過ぎる歌唱力だし。極論過ぎるか、これは。芝居全体のカラーが変わってしまうか。ま、俺の好みのストーリー展開だったら・・・ということで。
 でも、長尺の芝居が多い中、90分でよくまとまったお芝居だったと思う。
 しかし、このコレドシアター、5~6回観に来ているけど、対面に観客がいるので、客のひとりとしても時々困る。今回も斜め前方に、モデル風の凄く魅力的な女性が座っていて、その彼女の手前に演技スペースがあるものだから、演技者越しにその女性が90分見え続け、気になって仕様がなかった。これは、俺がスケベのカタマリ親父なせいか。
 長谷妙子マイペースで好演。しかし、自分でセリフをアレンジしてしまうのは如何なものか。演出家の苦労が偲ばれた。ん~。おつかれさん。

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大倉順憲

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