11月25日13時。作・演出:高井浩子。柳家喬太郎師の肩に力の入らない、いや無力感というべきだろうか。他の演技者と比べて等身大の存在感が圧倒的。別格。他の方々も、それぞれ良いのだけれど、ズルいほど目を惹きつける喬太郎師。なんだか役柄に、スーッと入ってるように見える。それだけに胡散臭ささインチキ臭さまで感じてしまったぞ。まあ、実際そういう人なんだろうけど。落語家という本芸からの余芸だからなんスかねえ。高井脚本もメインキャストの年齢設定を(たぶん)自分に合わせての等身大。高井の現在の心境を聴いているようだった。濃縮の60分。足りないぐらいがちょうどいい。劇中、外で鳴く鳥の声がラジオ番組のジングルに聴こえ、帰りにしみじみとアメ横で焼酎を浴びた。仕上げに“コロッケそば”は喰えなくなったお年頃。わかるかなあ…わかんねえだろうなあ。