6月24日。以前(10年程前)からに比べて、観客の年齢層が高くなったように思う…と本番前に六角に言ったら、「俺たちも年喰ったってことだよ」と返された。そりゃそうだ。でも「相棒」人気で若い婦女子がザワザワいた頃よりは、落ち着いて観られる。ああ、これが年喰ったってぇことかい。今回、久々にこの2バンドというか7人の男達の歌と演奏を聴いて思ったのは、人生マル出しさらけ出しでやってるっていうこと。もうシャンソンの域だ。シャルル・アズナブールだ。イブ・モンタンだ。美輪さんに怒られるぞ。スミマセン。母親がダイナマイト心中したというドデカイ十字架を背負った末井昭のテナーサックス。泣けるよ。泣けます。その彼のニトログリセリンを呑気に首から下げたスマイリ―井原の軽妙なMC。編集者(彼の本職)って大変なんだよね。作家先生の幇間っぽいところあるからなあ。昨年、死の淵を彷徨った髙橋悟朗のベース。確かにフィンガリングはまだまだ怪しいが、そんなのどーだっていいんだよ。悟朗ちゃん。俺は悟朗ちゃんのベースが聴きたいんだよ。ギターを弾くということがなければ、一気に自堕落の沼に頭から喜んで飛び込んで行き笑顔でズブズブと溺れていく、江上徹。またこいつもニトロをぶら下げてる。なんなんだこのバンドは。六角がまともに見えるじゃないか。いつもより凄く楽に唄っているように思えた。リバブを抑えたボーカルマイクのせいか(これはミキサーか六角の意志なんだろうか)、6畳一間の木造アパートで、隣の住人を気にしながら声を抑えて唄っているようにみえる。セットリストも、本当に自分の好きなナンバーだけを思いついたように並べているようだ。島本さんの「徘徊」、六角の「愛のさざなみ」が沁みた。シャンソンかあ。ちょっとホメ過ぎたか。