昨年、開催掲示された作品もかなり重複していたようだ。前回と同じく、紀伊国屋書店前で、マックのジュースをカップで呑みながら、佇んでいる少女の写真の前で立ち止まってしまう。中学生ぐらいだろうか。たぶん地方から出てきて、その頃まだ地方にはあまりなかったであろうマクドナルドでジュースを買って歩きながら飲むのが夢であったんじゃないかな、彼女は。紀伊国屋の芝居のポスターでも見つめているのだろうか。有名な俳優の写真と名前でも書いてあったんではなかろうか。その目線は愛おしく純粋で清んでいる。ああ、俺も上京したとき、原宿竹下通りで、クレープ買って喰ったっけ。なんだか泣けてくるぞ。前回観たときもそうだった。俺は、田舎モンの上京物語がホントに好きなんだな。それに固執している反面、田舎モンをバカにして(自分も田舎モンなのに!)、東京でエラそうに暮らしている。その上、東京モンもバカにしえいる。世間が視野が狭いと。ああ、俺ってちっちぇえなあ。それはすべて自己批判、自己否定しているんだろうか。故郷へのノスタルジー、帰巣本能なんだろうか。いやいや、せめて初心忘れるべからずで、これからこれからと思っておこうか。まだまだのたうちまわれるぞ。写真の彼女も今なら俺と同じ年頃だろう。なにやってんのかなあ。