2011-04-15

【『ピンク・スバル』クロスレビュー】イスラエルにもパレスチナにも、人情はある! このエントリーを含むはてなブックマーク 

イスラエルとパレスチナ境界線に実在する車泥棒の街を舞台に、日本人監督が撮影した映画です。イスラエルはユダヤ人、パレスチナはアラブ人、そこに日本人が絡んで、面白い作品に仕上がっています。

日本語、英語、アラビア語など、多国籍の言葉が飛び交い、パワフルな人々が動き回るので、最初は、何がどうなってるのか、不思議な感じなのですが、段々と、彼らの生活や言っている事が理解出来てくると、なーんだ、日本の下町のおっさんおばさんと同じじゃんって思うんです。国や言葉が違っても、人間は、同じなんだなぁって、人情って、あるんだなぁって思いました。面白かったなぁ。

主人公の車が盗まれたときも、こういう街だからこそ、直ぐに見つかりそうな気がするんだけど、ま、そこが難しいところなんですよね~。色々あるのよ。ズベイルは、一生懸命、自分の恋人を探すように、走り回るんですが、大変なんだよねぇ。たくさんの人が協力してくれるんだけど、何故か見つからない。その訳は、映画を観てのお楽しみです。

もう一つ面白かったのは、イスラエルとパレスチナと言えば、宗教が違う地域で、日本では紛争している映像しか観た事が無いでしょ。それなのに、この映画を観ると、普通の人達が普通の生活をしているということが分かります。ちゃんとレストランもあるし、色々な民族が生活しているし、結婚を喜んだり、お金を貯めて車を買ったり、普通の生活があります。そして、住んでいる人々も、私達と同じように幸せを望んでいるの。それが、とっても温かいというか、身近な感じに思えました。

映像のアングルは、それほど凝っているとか、こだわりとかは無さそうに見えましたが、乾いた土に強い日の光は、なんとなく砂埃で黄色めに取られている映像に、きちんと映されていました。空気が映像に撮られているような感じかな。

本当に面白かったです。新人の監督さんなのに、凄いなぁって感動しました。出口を出たとき、監督がいらっしゃったので、サインをしていただき、面白かったですよってお話したら、「この街って、僕には昭和が感じられたんです。」っておっしゃっていて、ああー、そうかぁって思い返しました。なんか、あの、懐かしいというか、下町のように感じたのって、昭和の感じだったのかもって・・・。

なんだか、温かい感動をもらえて、笑える映画なので、ぜひ、楽しんできて下さい。私は、好きな映画ですけど、単館系がダメな方には、あまりお勧め出来ないかな。映画祭とかで上映されるような作品です。後からジーンと来る感じ。普段のTV映像などでは見れない、イスラエルやパレスチナの姿が見れるので、その地域などに興味のある方にもお薦めしたいです。

キーワード:

スバル / イスラエル / パレスチナ


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ゆきがめ

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“映画、大好きです。ストレス解消法です。”


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