2010-10-22

【『スプリング・フィーバー』クロスレビュー】 純粋で残酷な愛のゆくえ。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

なんでも、中国で映画製作を5年間禁止されたロウ・イエ監督がこっそり作ったのかな?まだ、禁止処分中らしいんですけど、頑張っちゃったみたいです。どうして禁止されたかというと、「天安門、恋人たち」という映画で、天安門事件を描いてしまったからだそうです。やっぱり、中国って、ヒドイ国・・・。

純粋なラブストーリーというコメントが、ま、ピッタリなんですが、やっぱり純粋であるが故に、すごく残酷なんです。だって、欲望のままに、抑えてないように思えるんですもん。純粋だからこそ、欲望に正直すぎて、相手を傷つけてしまうということを理解していないように見えました。そんな愛を細かく描いていて、この監督、すごいなぁって思いました。誰もが幸せになりたくて、自分の思い通りに相手を動かしたいんだけど、もちろん相手にも欲望があるから、どうにもならないジレンマに陥ってしまうんですよね。

男性同士のXXシーンとか、ちょっとビックリでした。シングルマンとは違い、すごく生々しくて・・・。キレイなんだけど、さすがに観た事がなかったので、”あ、一緒なんだ・・・。”とか、カルチャーショックでした。(アイルー状態です。)でもね、どちらも美しい男性だったので、良かったなぁ。これ、オヤジとかだったら、イヤだもん。(笑)

男女5人の恋愛模様なんですが(本屋の店主と、その妻<教師>、本屋の店主の愛人の男(主役)、店主の妻に浮気調査を依頼される探偵、探偵の彼女)、はっきり言って、私には、最初、あんまり区別がつきませんでした。この5人のほかに、工場長とか、料理屋の主人とか、色々絡んできて、とりあえず、必死で、覚えている内に、1/3が終わってしまいました。その後は、上記のように、純粋な愛の恐さを感じておりました。

人を愛したら、確かにすべてを手に入れたくなるけど、でも、自分中心じゃなくて、相手の事を思いやる事が大切なのだと考えさせられました。私は、彼らの選択は正しかったと思います。たとえ、一番好きな人と居られなくても、相手を苦しめるよりましだということ。そして、その愛を思って生きて行けると思いました。

とても大人の映画です。深い愛を描いているので、目や表情で、彼らの深いところを読み取って、感じる映画です。身体全体で、感じて、考えて、純粋な愛と、本当の愛を感じてきてください。大人だけ観に行ってくださいね。

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ゆきがめ

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“映画、大好きです。ストレス解消法です。”


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