ども、演出です。
最近オイラは、本番を2週間前に控え「性格の悪い小姑」のようにガミガミと怒っています。
現在の団員は30名近く。
その半数は新人で、
十夢での本格的な公演は初めてです。
だから、
ベテラン勢と、
意識が違う。
「時間が無い」って事が全然分かっていないのです。
やらなければならない事は無数にあります。
出来るようにならなければならないことも無数にあります。
一人一人は大したボリュームが無くても、全体を見れば山積みなのです。
芝居は個人でやっているものではありません。
練習場所(舞台)を一人でいつまでも占有して良い訳が無いのです。
心がけとしては、「早く自分が出来るようになって次の人に舞台を渡そう」と考えなくてはならないのです。
その意識が無いから「出てくる」「はける」だけの動きに20分も30分も使うのです。
やれない・・・のであれば仕方がありません。
どんなに時間が無くっても、やれない以上は練習しなくてはなりません。
その為の時間を割くことは無駄ではありません。
でも、集中さえしていればすぐに出来ることを、何度も繰り返さないとやらないので怒るのです。
お前達だけの時間じゃない!!
と、伝えているつもりですが、どこまで分かっているか・・・。
まして新人が本キャストの時間を削るなんて有り得ません。
多分、これまでのオイラが甘かったんでしょうね。
十夢は変態集団ですが、それ以上に真面目集団です。
「なぁなぁ」がゆるせないんですよね。
自分達が楽しむだけなら十夢じゃない方がいいです。
「自分達が楽しまないとお客様も楽しめない!」と考えている劇団なんてそこら中にありますから。
十夢は、「お客様に楽しんで頂くことが自分達の楽しみ」と考える劇団です。
その為にはプライベートな時間も使いますし、精神的にしんどい事もやります。
それが、
真面目変態集団 十夢
なんです。
まぁ、そこまでストイックにやっておきながら、まだまだスキルが拙いので目標とする舞台は作れていませんが、確実に力はつけています。
この間、特別公演を行いましたが、短い準備期間にも関わらず、かなりの完成度で公演出来たと思います。
出演する役者が少なくて、時間が短ければ、目標とする芝居をやれるようになりました。
今後はこれで、「出演者数を増やし、ある程度の時間の芝居」でもやれるようにならなくてはなりません。
その為にも新人の成長は必要不可欠です。
学生や社会人のアマチュア劇団です。
様々な事情により劇団を去らなくてはならない団員もいるかもしれません。
十夢祭が終わった後、何人の団員が残れるか・・・。
でも、残った団員は間違いなく成長している事でしょう。
来年には記念すべき十夢の「第10回公演」があります。
これまで培ってきたノウハウ・人脈・実績すべて総動員して挑みます。
その公演を見据えた、「今」、なのです。
新人だけではありません。
意識の低い団員にとっては窮屈な練習時間になることでしょう。
ガミガミ怒る事も増えます。
ただ、勘違いしないで欲しいのが、怒りたいわけじゃないって事です。
怒るのって体力使うんですよ。
叱るなら全然平気ですが、怒るのって疲れるんです。
出来れば、仲間の為に意識を高く持ち、無駄な時間を減らしてもらえると助かります。
で、11/19は「見上げれば」の1幕の通しをしました。
全体的な感想としては、テンションは高いけど、テンポが悪い。
練習の時の方がポンポンとシーンが進むので、見ていて楽しかったです。
「笑い」と「面白い」は限りなく近いですが、同じではありません。
括りとしては、「面白い」の中に「笑い」があるのです。
ですから、やならければならないのは、まず「面白いシーン」を作ることです。
※ここからは、どちらかというと「地球はチーム」に読んで欲しいかな。
んじゃあ「面白いシーンってどうやって作るのよ」って話になるのですが、必要な要素は4つです。
(1)テンションを高くすること
(2)大きな声を出すこと
(3)自分の台詞を分析すること
(4)掛け合いのリズムを掴むこと
この4つが出来ていれば「面白いシーン」は出来ます。
(1)(2)はそのままなので説明を省きますが、大切なのは(3)と(4)です。
まずは(3)から説明。
ここで言う台詞の分析は、感情や内面の事ではありません。
そういうのは芝居そのものを作る上で必要な作業です。
単に「面白いシーン」を作りたいのですから、もっとダイレクトな話です。
芝居は「観る」ものですから、目で見て、耳で聞いて、どんな情報を得るか、です。
ですから、「耳で聞かせる」というのはもの凄く大切なんです。
耳に心地よい
これは、面白いシーンを作るのに超重要な事です。
ですから、台詞に書かれている句読点を馬鹿正直に守る必要はありません。
極力つなげられる言葉はつなげる。
そして、平ぺったい台詞にドキドキはしません。
流れるような抑揚をつけた方が言葉を「音」として聞く分には楽しいです。
更に、語尾のイントネーション。
聞いている人の心にスッと入ってくるイントネーションを探すべきです。
語尾がしっかりしていないと、例えば掛け合いの時、相手に質問したのか、言い聞かせたのか分からなくて違和感を感じます。
台詞をつなげる・抑揚をつける・語尾を適切にする
これをキチンとやれば、心地よい台詞回しが可能になります。
そして、それが出来るようになったら(4)に進みます。
新人にありがちなのですが、掛け合いがとにかく遅い。
それは、相手が台詞を言い終わった後で自分が息を吸うから。
だから台詞と台詞の間に「余計な時間」が生じる。
「間」ではありません。
「余計な時間」です。
お客様が嫌いなものって何か分かりますか?
正解は、
意味の無いもの
です。
来場するのに交通費を使い、時間を使っているのに、意味の無いものを見させられるほど嫌なものはありません。
90分の芝居を見せるなら凝縮しないと。
ギュ~~っと凝縮しないと。
結構早いキャッチボールです。
ポンポンポンポン、台詞を応酬させ、そして要所要所で「間」を取る。
そうすれば「面白いシーン」が完成します。
(1)から(4)をちゃんとやることが、テンポってことなんです。
そして、そこに更に感情の機微や意外性、緊張と緩和を加えると「笑い」になってきます。
なのでまずは「面白いシーン」を作らないと。
面白くないのに笑いは絶対に起きません。
そうはいってもまだまだ時間はあります。
役者陣には頑張って欲しいと思います。
なぁ~んて、
上から目線で言っている場合じゃありません。
オイラです。
オイラの演技が全然駄目駄目でした・・・。
これは正直、ショック。
圧倒的練習不足です。
台詞は入っています。
自宅で台詞覚え、台詞回しをちゃんとやっています。
よっぽど本番でスポーンと飛ばない限り、台詞をとちる事は無いと思います。
(飛ぶ飛ばないは、こればっかりは事故のようなものなので、絶対大丈夫とは言い切れませんが)
ですが、
台詞云々ではなく、そもそもキャラが見えてこない。
通したDVDを観ましたが、客観的に見ていて「コイツ何しに出てきたんだ?」って思いました。
下手したら「あれ?こんなヤツ居たっけ?」状態です。
駄目だ!
これは駄目だ!!
絶対駄目だ!!
もう一度役作りからやり直しです。
皆に協力して時間を作ってもらおうとしましたが、そういう段階ではありません。
もっと基礎的で、根本的なことを変えないと意味がありません。
早急に作り直したとしても、練習中に試せるのは1、2回。
でも、それでもやらなくては。
このままでは自分で自分が許せない。
19日の通し以降、ずっと方向性を考えていて、やっと見つけました。
後は、その方向性に台詞や感情を合わせていく作業です。
必ず、間に合わせます。