骰子の眼

stage

東京都 渋谷区

2009-08-31 12:54


情報誌「Choice!」連動企画:自称「演劇中毒」、俳優・篠井英介インタビュー

オスカー・ワイルド原作の翻案劇『サロメ』に森山開次、江波杏子、上條恒彦と共に出演する篠井英介に話を聞いた
情報誌「Choice!」連動企画:自称「演劇中毒」、俳優・篠井英介インタビュー

今月も厳選シアター情報誌「Choice!」との連動インタビュー企画“Artist Choice!”をお届け!都内の劇場、映画館で配布されている「Choice!」本誌にはインタビューの他にもさまざまな映画・演劇の情報が満載、是非探してみてください。「Choice! vol.10」9月号は本日より配布されています。(→「Choice!」配布場所一覧

今回は10月19日(月)から東京グローブ座にて行われる女方三部作シリーズの第三弾 翻案劇『サロメ』に出演する俳優・篠井英介氏のインタビューです。

いまさら言うまでもなく、所作が、いや存在そのものが、美しい役者である。インタビューしたのは7月。「今年はもう70本以上、観ました」と彼は語る。篠井英介は、生粋の「演劇中毒」だった。


他人の舞台を観ることで
演劇そのものについて考えられる

篠井英介

「演劇はなまもの。やってみないとわからないんです。初日を迎えてやっと“あ、こういうことか”とわかる。つまり、お客さんと一緒ですよ。そう考えると、ひどいものですよね。まだ影も形もないときに、チケット売ってるわけですから。ある意味、詐欺みたいなものですよ(笑)」

 冗談半分、本音半分。それは篠井英介が、役者であると同時に、自称「演劇中毒」の観客であることを常に忘れていないからだ。

「他人の芝居を観ても、自分の仕事について、つい一生懸命考えちゃいます。芝居はどうあればいいのか。どう社会と関わっていけばいいのか。もちろん、僕ができることは限られている。自分と、自分の仲間たちが関わったものがよいものになってほしい。劇場に来たお客さんが“また観てみたい。お芝居もたまにはいいな”と思ってもらえるものをやり続けるしかないんですけれど」


 たとえば、チケットの価格に見合う芝居になっているか、シビアに観ることもある。

「長いことこの世界にいるので、正直、そのあたりのことがわからなくもなっていたんです。ただ、意識的に芝居を観るようになって、これはとても大事なことだなと。ほとんどは自分でチケットを買う。つまり生活者として演劇に関わったとき、チケットの値段と作品に対する後味は決して無関係ではないと思うようになった。はたしてこれで一般のお客さんは“次、また行こう”と思うのだろうかと。金額に見合う充足感が得られないと、今後につながらないんじゃないかと。そもそも芸術って、値段があってないようなもの。モノではないから、曖昧。常識的な値段なんて誰もつけられないからこそ、きちんと考える必要があると思うんです」

こういう役者でありたい―
理想、志、そして核がなければ

 それにしても、どうしてそこまで浴びるように芝居を観るのだろう。

 

「他に趣味がないから(笑)。ただ、芝居やってるのに芝居が趣味って、恥ずかしいじゃないですか(笑)。だから以前は、いろいろやってみたんですけど……やっぱり、いちばん夢中になれるのは演劇だって、数年前に気がついたんです。じゃあ、徹底的に演劇を趣味にしようと」

 底辺にある想いは一貫している。

 

「自分の仕事が好きなんですね。自分の仕事を大事にしたいんです。自分の仕事がジャンルとして隆盛であってほしい。自分の好きな演劇というものが、多くの人にとっても素敵なものであってほしい。それだけです」

 役者であること。観客であること。その共存にも矛盾はない。

「この歳で恥ずかしいんですけど、まだまだ自分探しをしています。どういうことをこれからしたいのか。僕にとっていい芝居ってどんなものだろうか。僕がなりたい役者ってどんな役者だろうか。それを探すためには、じっとしていてはダメなような気がするんです。演じる以上、“こういう役者でありたい”という核がなければダメだろうと思います。自分にとっての理想、志を持っていなければかっこ悪い。それをいつもクリアにしておきたい。確認しておきたい。磨いておきたい。演劇を観ることは、そういう意味もあるんです」

 篠井英介は演劇を愛している。だから、己にも舞台にも、厳しく接している。

(取材:相田冬二 撮影:taro)

★このインタビューのロングバージョンは
厳選シアター情報誌「Choice!」公式サイトで読むことができます。


篠井英介(ささいえいすけ)プロフィール

石川県金沢市出身。日本大学芸術学部演劇学科卒業。劇団・花組芝居を経て、現代劇の女方として独自の世界を切り拓き、唯一無二の存在として舞台を中心に活躍。今秋上演される、女方三部作シリーズ第三弾『サロメ』に期待が高まる。現在、NHK「生中継 ふるさと一番!」に旅人としてレギュラー出演中。
篠井英介の最新情報はコチラへ。


公演情報

女方三部作シリーズ第三弾 翻案劇『サロメ』

女方三部作シリーズ第三弾 翻案劇『サロメ』

2009年10月19日(月)~25日(日)
会場:東京グローブ座
原作:オスカー・ワイルド 上演台本・演出:鈴木勝秀
出演:篠井英介 / 森山開次 / 江波杏子 /上條恒彦
公式サイト

チケット料金:S席 7,800円、A席 6,000円 (税込・全席指定)
学割 5,000 円(枚数限定・当日指定・東京音協のみ取扱)
※10月23日の回は終演後にトークショー有り
お問い合わせ先:東京音協 03-3201-8116


女方三部作シリーズ第三弾 翻案劇『サロメ』
(C) 西村淳


厳選シアター情報誌
「Choice! vol.10」2009年9月号

厳選シアター情報誌「Choice!」は都内の劇場、映画館、カフェなどで無料で配布されており、毎号、演劇情報や映画情報を厳選して掲載。注目のアーティストをインタビューする連載“Artist Choice!”の他にも、演劇ライターの徳永京子氏による演劇レビュー、ライターの相田冬二氏による映画レビューが連載されています。

配布場所一覧
公式サイト

Choice! vol.10

演劇ライター・徳永京子氏による演劇レビュー
Stage Choice!ラインナップ

ハイバイ「て」
NYLON100℃公演『世田谷カフカ』
『コースト・オブ・ユートピア ーユートピアの岸へ』
青年団プロジェクト公演『青木さん家の奥さん』

ライター・相田冬二氏による映画レビュー
Cinema Choice!ラインナップ

『クリーン』
『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』
『九月に降る風』
『幸せはシャンソニア 劇場から』

Extra Choice!

映画『曲がれ!スプーン』公開記念3ヶ月コラボ企画 第一弾


レビュー(0)


コメント(0)