そんなわけで、9/9にご紹介したサンテリ・トゥオリ展『命のすみかー森、赤いシャツ、東京』のトークイベント(サンテリ・トゥオリ+港千尋)@スパイラルに行って来ました。
ただ、出かけるあたりから頭が痛くなってきて、そこにいるだけで精一杯というコンディションだったので(今も少しフラフラしている)、シンプルなレポートにとどめて少し体を休めようと思います。
あ~…この写真では不鮮明でよくわかりませんね(w)、sorry…
前列右から二番目がサンテリ・トゥオリ氏で、左から二番目が港千尋氏です。トゥオリ氏、とてもきさくな人でした。
お話を聞いて知ったのだけど、巨大な森の映像は、モノクロの写真の上にカラーの映像を重ねているのだそうです(下の写真をモノクロにしたのは、両方がカラーだと情報が too much になってしまって…試行錯誤の結果とのこと)。
しかも、写真の方が春先で、映像の方は秋が深まって来た頃…という、それぞれ別の季節に撮影されていることもわかりました。
フィンランドとスウェーデンの間にある小さな島に3年間の間、何度も、時には一ヶ月近くも滞在したらしい。ただひたすら静かに森を観察する心持ちはどんなものだったろう。
港さんの感想は、やはり「立体感がある」で、さらに「2.5次元とでもいうような新しいdimensionを感じる」だった。そして、写真と映像を重ねることによって生じる摩訶不思議な効果が、時間を超越するような感覚をもたらしている…この「Layer」というのは新しい表現だ、と。
確かに、映像や写真だけよりも、そこに森が在り続けるような印象を与えていると思った。瞬間をそこに凍結させる写真に動画を重ねることで、時間の「永遠性」のようなものが吹き込まれるとでもいうか…。彼の作品はよく「コントロール/制御できない不気味さ、怖さを感じる」と言われることがあるそうだ。
トゥオリ氏は、写真の領域や境界線を変えていきたい、見出していきたい、と語っていた。
さらに、「作品がスペースでどう存在するのか」探求していきたい、とも…。なるほど「不思議な生命力を持った森」は、スパイラルというカフェやCDショップなどの混在する空間で見事に共存していた。すべてが渾然一体に溶け合うように…