ども、演出です。
最近、たか君に演劇のDVDを貸して見てもらっています。
当初は「テンポを速めるリハビリ」として貸していたのですが、たか君自身が観劇にハマったようです。
毎週水曜の練習に貸しているのですが、オイラが新しいDVDを忘れると、
「あ、そうですか。」
と、顔では笑いつつ、言い方がもの凄く寂しそうなんですよね。
たか君が見た事の無い劇団のDVDを貸そうと思っているのですが、演劇のDVD自体があんまり無いので選択肢は多くありません。
まぁいいかと、今では手当たり次第目に付いたDVDを貸して見てもらっています。
プロの芝居はやっぱり凄いです。
「間」がちゃんと「間」ですから。
余計なタイムラグは一切ありません。
この「余計なタイムラグ」を、DVDを見ることによって理解してくれたら、たか君ももっともっと成長するのになぁと思う今日この頃です。
テンションは最近、たか君自ら上げてくれるようになったので、シーンの盛り上がりは彼がリードしてくれるようになりました。
彼は、4月から「地球はチーム」でやってきましたが、前回と同じような役柄だったので少々戸惑っているように見えました。
もしかしたら、たか君は新しい役に挑戦したかったのかもしれません。
でも、オイラにはオイラの思惑があって彼に今の役を付けました。
その思惑をストレートに話してしまうと精神的にツライかな、と思ったので分厚いオブラートに包んで話したのですが、意味が分からなさ過ぎて余計にツラかったかもしれません。
ずっと、「自分の役割」について悩んできた事でしょう。
役としてではなく、たか君個人として劇団の中で、役者同士の中での役割。
今でも悩んでいるかもしれません。
でも、台詞も入ってきて、テンションも上げれるようになってきて、テンポも早められるようになってきた今、たか君は少しずつ変わり始めています。
今までになかった一面を覗かせるようになりました。
それに彼自身が気付いているかどうかは分かりませんが、演出として見ていて、頼もしくなってきたのは確実です。
オイラにはオイラのリーダーシップの取り方があるように、
たか君にはたか君のリーダーシップの取り方があります。
大きな背中を見せてグイグイ引っ張るリーダーシップ。
背中を押してやるリーダーシップ。
下から支えてやるリーダーシップ。
いろんな方法があります。
たか君は、自分自身も気付いていないかもしれませんが、その方法を探し始めているのです。
12月までには見付けられないかも知れません。
でも、こういうものは長い年月を必要とするものです。
たか君の「男」が、「漢」になるのを楽しみにしたいと思います。
さて、
今週は11/2(日)に文化祭がある為、練習時間の後半は「頑張れ!幸一君」に時間を割きました。
でも、結構仕上がっていて、これ以上演出をすると「余計」な動きを足したり、表現をさせたりしてしまいそうです。
ってか、そうなりがちなんです。
25分の芝居とはいえ、部分稽古不足のシーンがいくつかあったので、そこを中心に台詞確認程度で流しました。
「頑張れ!幸一君」は4人芝居ですが、団長以外は全員新人。
4月以降に入団してきた団員ばかりです。
しずちゃん。
しゅんき君。
せいかちゃん。
特にしゅんき君はまだ高校生ですからね。
でも、本当に皆良く頑張ってくれました。
オイラの演出は細かいです。
ちょっと台詞を言っては修正点があると直ぐに止めて駄目出しをします。
だから最初は中々シーンが進みません。
オイラの演出を初めて受ける3人は、正直イライラしたと思います(笑)
「もっと自由にさせてくれ!」と。
演出の中には居ると思います。
「役者のやりたいこと、個性を優先し、気持ちよく芝居をさせる演出家」が。
残念ながら、オイラはそういう演出ではありません。
オイラが見ていて「面白くない」と判断すれば、「面白いと思える」ように演出をします。
完全にオイラの個人的なセンスです。
ただ、個人的なセンスに、何人のお客様が同調するか。
演出家の才能ってそういうもんだと思っています。
演出家のセンスに30人しか同調しないのであれば、30人のお客様を動員するような芝居を作るべきです。
しかし、30人という人数は決して多い人数ではないので、演出家としての才能を疑うべきかもしれません。
オイラは自分のセンスに絶対の自信を持っているので、
あぁ押し付けますとも!!
で、文化祭前に十夢内でプレ公演を行いましたが、はい、ちゃんとウケました。
身内贔屓を考慮しても、ウケていたと思います。
役者も手応えを感じたことでしょうし。
何より、あの日以来、心なしかオイラの演出に素直に従うようになった気がします(笑)
これまでも反抗した事もなかったですし、
オイラの言葉をちゃんと聞いてくれてはいましたけどね。
役者の心のどこかで、「これで本当に大丈夫なんだろうか?」って心配はあったと思います。
で、実際にやってみたら「笑わせドコロで笑わせられた」。
役者にとってはこれ以上無い自信になりますし、オイラの今までの演出が正しかった証明にもなります。
演出はこうやって少しずつ、役者の信用を得ていくものです。
オイラなんて、役者からの信用が無かったら単なる「偏屈なオッサン」ですからね。
役者からの信用
オイラにとっては何よりも大切なものです。
ま、オイラが目指しているものが分からないと、誤解や勘違いをする役者も居ますけどね。
今は、団長、副団長、たか君やなべちゃん、まー君がオイラを一番理解してくれているので、それを新人に教えてくれます。
有り難い事に、オイラは余計な事を考えずに前だけを向いて走れるので凄く楽です。
っていうか、
今の役者陣は、オイラが逆に引くくらいグイグイ来ますから、油断できません。
ちょっと前までオイラが一番「芝居作りに変態的」だったのですが、
今ではオイラ以上の変態さんがワラワラ居ます。
そんな変態集団が作り出すお芝居、是非是非、ご覧下さい。
無料公演ですよ~。
11/16(日)
◎企画公演
中央公民館 6階 講堂
入場無料
18:00~
『頑張れ!幸一君!』
『それは月夜に舞う華の如く』
文化祭で行った作品と、もう1本、上演いたします。
2作品合わせても1時間程度の芝居です。
基本的には身内公演ですので、そんなに仰々しい照明や大道具は組みません。
ですが、折角ですのでお近くの方には是非、ご覧頂ければ幸いです。
特に『それは月夜に舞う華の如く』は、見ておくと『見上げれば夜空に碧い月』がより面白くなったりならなかったりします。でも多分なります。
12/7(日)
◎十夢祭
宮本公民館 講堂
入場無料
13:00~ 『地球は僕らの手の中』
15:30~ 『見上げれば夜空に碧い月』第1幕
17:15~ 『見上げれば夜空に碧い月』第2幕
詳細はホームページをご覧下さい。
http://tomu.tv/