とうとう「今日は放射線値が高いから外出は控えた方がいいらしいね」みたいな会話が普通に交わされる、SF映画みたいな日常になってしまった。
今朝、テレビで原発から20km以内の避難区域に留まっている人たちが映っていた。飼い主からはぐれて動物病院に保護された犬たちや要介護の父親、息子さんの面倒を見ながら立ち去ることもできず踏み留まっている女性。「いつもの朝食」と言いながら撮影している、和やかな食事の光景…
先日、現在疎開中だという某ブロガーが「命よりも仕事が大切な人は東京に残っていればいい」と書いていたけれど、そんなヒステリックな自己正当化よりも「自分は怖くて逃げた」とただ書けばよかったのではないかと思う。それにしても、東京の人に「怖い、怖い」って言われても福島の人はどうすればいいんだろうね?世界から見たら日本がヤバイって感じなのに。
まるでタチの悪い野次馬のようなネット環境である。
そもそも皆が自分ばかりを優先して逃げ出してしまったら、日本や世界を救う人などいなくなってしまうのではないか?
震災以来、刻一刻と状況が変化しているけれど(情報も種々雑多入り乱れ…)、今後それが楽観できるようなものになるかというと、そうでないことだけは確かだ。たとえ一時的に少々ましな状態に落ち着くことがあるとしても…。もう3.11以前には戻れないのだ。
じゃあ、少しは東京都民が何か学んだのかと思いきや、今回の都知事選はやはり心配だ。
ネット上では多少あれこれ考えを巡らせている人がいるようでも、実はそれは全体から見れば少数派なのかもしれないという危惧。そして、予想外に健闘したとしても、結果フタを開けたら票が割れていて、また同じことの繰り返しに終わってしまうのでは?…と、つい憂慮してしまう。
webDICEでは、都知事選の参考になるような情報を公開するらしい。それは素晴らしいことだと思う。有権者を正しい方向へ(少なくとも各自で情報の取捨選択ができるよう)誘導してくれるのを願うばかりである。