骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2013-02-13 23:00


TAIYO33OSAKA代表PIKA☆が目指す「みんなめっちゃ笑えるおもろい未来」

エネルギーについて考える祭り、2/21渋谷アップリンクで太陽33シアター『ホピの予言』上映
TAIYO33OSAKA代表PIKA☆が目指す「みんなめっちゃ笑えるおもろい未来」

2011年3月11日の東日本大震災を契機に立ち上げられ、エネルギーについての関心と知識を深めていこうと大阪を拠点に全国各地で行われているムーヴメントTAIYO33OSAKA。2013年3月3日に大阪・万博記念公園開催される本祭を前に、渋谷アップリンク・ファクトリーでも連動イベント太陽33シアターが2月21日(木)開催される。代表のPIKA☆にメール・インタビューを行った。

知ってるのと、やる。というのは全然違う

──2011年3月11日の東日本大震災をきっかけにスタートしたTAIYO33OSAKAですが、本祭まであと1か月弱となりました。あらためて活動全体を通してどんな手応えを感じていますか。

本祭りまであと1か月弱という事は、震災からもうすぐ2年、TAIYO33OSAKAののろしを上げて1年半になると言う事なんですが、震災がおきる前までほんとに私は、音楽活動をしてる者でしかなかった、この活動によって、今までの私はそこだけに世界があると信じて、ほんとに何も知らずに、むしろ知ろうともせずに社会でに無関心に生きてきたことに気づきました、ふと周りを見ると世界は沢山あってまた、その繋がりの中に私の世界はあったという発見がとても大きい。まだ3月3日がきていないから、なんとも言いがたいところはあるのですが、そこの部分の自分自身の大きな変化、そしてこの1年半の活動で出会った音楽シーン以外での様々な人達との出会い、またそこからの繋がりを実感することは一つのものごとの捉え方や見方を思慮する上ですごい糧となっています。きっと私の音楽感にも染み入っていると思います。

震災後すぐのTAIYO33OSAKA立ち上げ当初に、大切なのは繋がりと思いやり、心、コミニケーションだよ!って自分で言ってたことを沢山の自分とぜんぜん違う感覚の人と祭つくりを通して活動することで、実際に自分はできるのかとか身をもって体験して、それってほんとにどう大切なのかとか、本当に少しづつですがやっとわかってきました。

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TAIYO33OSAKA代表のPIKA☆

知ってるのと、やる。というのは全然違う。違った。やってみて、わからないからこそ、対話し、ぞれぞれの世界のキッカケにしていけるものを実はみんな求めているんだなという必要性は凄く感じます。ただキッカケがないだけなんじゃないかな? また、TAIYO33OSAKAは震災後の人の有耶無耶なままで、おいてかれそうになった心のバリケードのようなものをつくりたかったのかもしれない。普段みえないものを見えるようにすること、ずっと「わからない」と言われたものが今形になろうとしている感はリアルに感じます。

ぜんぜん知らん人達があつまって何か新しいものが生まれる

──続けてくるなかでどんなことに直面しましたか?

嬉しかったこと。それは、ぜんぜん知らん人達があつまってどんどん仲良くなってまた何か新しいものが生まれたりしてる瞬間です。言葉にしたらめっちゃシンプルなんですけど。33で祭つくる際に、形式的に実行委員になってもらうんだけど、その「何ができるかわからない」んだけど、この社会や震災後の日本に「何かしたくて、自分自身が考えたくて、実感したくて来ました。」っていう人が訪ねに大阪まで足を運んでくれるていう事実に、毎回感動してます。

何かが始まる感じと、ただ単純に同じ人おった~~~!!!っていう喜び。自分の微々たる発信がちゃんと届いて反応されて何かが動いた喜びはなんとも嬉しいです。ほんと『来る』って、アクション『行動』そのものだと思うから。想いを越えた証だと思うんです。もちろん、次はそれをいかに『残す』かという課題はありますが、 先日、33を通じて福島で出会った人と、大阪の友人が結婚しました。それを聞いたときはほんと涙でた。どんどん新しい世界が増えていってる。そして、それこそが未来そのものだと思う。

なかなか作業に追われて発信できてなくてもどかしいですが、祭つくるこの1年半の過程の中に数えきれない未来の種がたくさん生まれています。震災後、この社会や自分の中の矛盾やもやもやを楽に言い合え、また逆にそれから何かを創る。何か新しいものを自由につくっていいよ!という場所、対話できる場所があることで、みんな楽になってくれてる感じがあります。否定し合わなければ、その会話から確実に新しい概念生まれ、今の社会の中では何かを守る為に必要だったコダワリも必要ではなくなってどんどん手放して軽くなっていける。33に関わってくれてるみんなが楽しそうなんみるんが一番嬉しいです。

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TAIYO33OSAKAの旗

──ではキツいなと思ったことは?

そうですね~~~、めちゃめちゃある!(笑)
うーん、33はほんとある意味、会社みたいな事を有志のみで、完全に見返りのない状態、奉仕、おもてなしに近い状態でいかにできるか、ってことをやってますね。会社みたいなことっていうのは、33は「ポジティブなエネルギーを発信しよう!」「エネルギーはアナタ自身だよ!」てことを発信、社会に声をあげたくてやってるわけですが、ある意味ポイントになってくるのは、それを、「どう人に伝えるか」ってとこで、それにはただ物、祭をつくるだけじゃなくて、色々勉強したり、工夫して、自分のキャパシティーに向き合わなあかんかったり、受け取る相手の事考えていくから、自分のエゴをどんどん打ち消していかなければ進めない部分もあって、それけっこうしんどかったりもするんですけど、ほんでメンタルと体力のこともありますから、お金もメンバーに払えないし、その上で活動を継続できるガソリンは自分の心・情熱でしかなくって、とにかくまずそれを維持することが重要になってくる。

そうなってくると、一人一人自分の生活があるなかで、ほんともうそれには楽しくないと続かないし、いかに自分自身でその楽しさを見いだしていけるかにもかかってくる。あとは、自己責任・自己管理になってくるんですよね。ちゃと自分をもっていないといけない。ある程度自分の許容ラインを知ってないといけない、つぶれちゃうから。けっこう過酷です。そういう、実行委員を組織し続ける大変さという面白さをもちながら、外への発信も考えてくことを両立させるのは難しいですね。ほんとは穏やかに小さい規模からやったほうがいいんだけど、なんせ2013年3月3日に万博記念公園でやるんや~!!!と、ドッカーーンと大きくひろげてしまったから。ほんとみんな自分の事がある中でよく集まって一緒にものをつくってくれてて凄いことだなぁと思います。

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2012年6月東心斎橋CONPASSで開催された『どPAOS!』より

シアターというみんなで語り合える場所をつくりたかった

──活動のなかで、エジプトレコーズとUPLINKと2拠点で開催されてきたTAIYO33シアターについては、祭り全体のなかでどのような位置づけでしたか?

祭をつくる上でもっともっと知識や情報がほしかった。TVも全てが本当じゃないことは震災後わかったので、では、現地にいって実際その作者の体験をありのままにとらえている映画やドキュメントを見て、勉強したかった、というのと、シアターというまたみんなで語り合える場所をつくりたかった。とはいっても、私自身も、どんな作品でも作者の思想や偏りはあると思うので、ひとつのことを鵜呑みにするのではなくて、それを見てまた考えるキッカケになるように、TVだろうが、映画だろうが、どれたけ信頼している人の話だろうが、きちんと答えは自分で決めれるように。また、いろいろな世界を発信してる人を知る媒体になれればという想いもありました。

──今回2月21日(木)に渋谷UPLINKで開催されるTAIYO33シアターについてを教えてください。

ずっと、33シアターでは『ホピの予言』を流してきたのですが、その映画をまた最後に上映したいと思います。もちろんこの映画に対して意見は様々だとおもう。だけど、もちろん核のことを取り扱った内容にもふれているけれど、純粋に反原発というメッセージじゃなくて、日本の中だけでは知る事のできない事実として、新たな価値観やキッカケになったらと思うんです。その他、トークとして、サミット形式で、実際にきてくれたお客さんと対話していこうと思っています。スペシャルゲストもあるかも!?

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映画『ホピの予言』より

自分がどう感じるのか。それを一番強く信じてほしい

──TAIYO33OSAKAの動きを知るにつれ、自分たちがいかに身の回りのエネルギーについて無知であったか、そしてその自然に対する知識を身に付けることが、これからの世界で生きていくうえでどれだけ大切か、かを知ることができるようになった気がします。しかもそれをカルチャーを通して楽しく身につけていくことができる。そして様々な繋がりを育んでいくことができることが、このTAIYO33OSAKAとTAIYO33シアターだと思います。

私は人類みなこの世界をつくってるアーティストだと思っているんですけど、向き不向きはおいといて、歌(音楽)も絵(芸術)も、じつはみんなのものだし。私自身はそれが生きることだと思っているのですが、今は生活の中でそうしなくても生きれてしまう。そして、今のこの世の中はすごく立場がカテゴライズされてる。自分の場所が明確であるのってやっぱり安心にはなるから。でも、わたしは今ほんとに『統合』の時代に入ったんじゃないかと思うんです。政治も芸術も科学も宗教も哲学もじつは、ぜんぶにぜんぶが必要で融合されていくんじゃないかな。人の心はほんとに混沌としていて、カオスだと思うんです。ほんとにどんなに近くても同じな人は誰一人いないように。

TAIYO33OSAKAは、「答え」じゃないんです。擦り込みでも、誘導するわけでもない。芸術と同じように何もジャッジしない。ただの集合体というか……。もちろん、キュレ-ションが私であったり、まだまだ偏った見方を発信してしまっているのは未熟で申し訳ないのですが、私は33が発信する情報に触れたとき、自分がどう思うのか。違うと思うのか、そうだ!と思うのか、どちらでも良いと思う。自分がどう感じるのか。それを一番強く信じてほしい、そこをしっかり感じてほしい。新たな発見に驚いてほしい。と思っています。これは私の感覚ですが、むしろ自分と逆の意見の人の話をここぞばかりに吸収しまくってほしい。

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TAIYO33OSAKAのポスター

──最後に、3月3日への意気込みをあらためてお願いします。

これを読んでくれた人、この想いに興味をもってくれている人、これから出会う人全ての人に感謝を込めて。今はまだエネルギーを奪い合っている世の中だけど、エネルギーの使い方や、概念、視点を変えれば、もっと気づけることがあるはず。どんどん世界が新しく生まれ、変わっていく。まだまだ私達、人類は進化の途中で、間違ってわかっていく。私は~~~ごめんなさい!間違えまくってます!

でも、絶対それをより良いものに変えていきたい情熱も消せません。この社会に自分に世界に感じている矛盾や悔しさ、時に怒りがどこから来ているのか、その時、ん?と思う疑問を問いつづけていくことをやめない。だからもう過ちを責めることに今を使わないで、今は全ては未来にあると思っています。もちろん、めっちゃみんな笑えるおもろい未来!

あらためて、津波や地震、変われるキッカケをくれた全て、これから立ち向かうどんな困難にも感謝できるように、毎日を喜びで生き抜きたい。そんな愛があふれた、多くの人の大きな始まりの日になるように、最後まで未来の種をまきながら、限りなく大きく深く大勢の人と共に『太陽大感謝祭』を創っていきたい。右も左も大人も子供もホームレスのおっちゃんも社長さんも過去も未来も今み~んなで一緒に太鼓を響かせて、今まで見た事のないありえない祭を興し、いっぱい驚いていっぱい感動して、より素晴らしい未来を「太陽の塔」と一緒に手をつないでワクワクと祈りたいです。そんなお祭りを一緒につくってください!!!みなさんの一人一人のご協力、どうかよろしくおねがいします!!!☆エネルギーはここにある!アンタが太陽ー?!!!

(取材・文:駒井憲嗣)
昨年渋谷アップリンクで開催された太陽33シアターの様子



PIKA☆(ピカ☆) プロフィール

1983年12月7日大阪阿倍野生まれ。2002年、ロックバンド「あふりらんぽ」を結成。ドラム、ヴォーカルを担当。2005年にソニーキューンレコードからでメジャーデビュー。2007年、あふりらんぽ活動休止をきっかけにソロ活動を始める。2008年、ギター弾き語りソロ「ムーン♀ママ」ミニアルバム『幸せの可視」』を自主レーベルからリリース。2010年、あふりらんぽ解散、本格的にソロ活動開始。2011年、震災直後にピグミー族の写真展「BAKA2004-2011」を開催。8月15日には、大友良英、和合亮一、遠藤ミチロウが主催するフェスティバルFUKUAHIMA!にムーン♀ママとして坂本弘道氏と出演。被災地支援プロジェクト「まんまる」の活動に参加し、福島の保育園の訪れドラムを演奏する。最近では、自身のドラムメソッドを「太愛鼓」(たあいこ) と提唱し、関西を拠点にPIKA☆太愛鼓ドラム教室をひらき指導を始める。その他「光宙☆魔呼斗」「satori」などのユニット、セッション、国内外演奏活動に精を出す。音楽、写真、絵画、役者活動、パフォーマンス等、幅広い視野で唯一無二な人間力的表現活動を目指す。
PIKALOGGG☆!!! http://pikaloggg.blogspot.jp/
twitter https://twitter.com/pika_azuma




太陽33シアター『ホピの予言』
2013年2月21日(木)
渋谷アップリンク・ファクトリー

僕らが使っている電気の大元を辿ると、本当にいろいろな問題が山積しています。ホピ族に代表されるアメリカ原住民の人たちの被爆労働については、感想が言葉になりません。この映画を観て、自分たちが享受している便利の、その源泉のひとつを知ることができました。そして、考えなければならない、行動しなければならないと、決意を新たにしました。この映画を僕に紹介してくれたPIKAに感謝します。皆さんも是非。(後藤正文)

上映作品:『ホピの予言』
監督:宮田 雪
製作:木雅子、宮田 雪、飯岡順一
プロデューサー:田畑祐已
音楽:伊藤 詳
ナレーター:佐藤 慶
(1986年/カラー/75分)
同時上映
『浄化の時代を迎えて―ホピの伝統に生きるマーチン・ゲスリスウマ氏に聞く―』
(2004年/25分)

18:30開場/19:00開演
予約1,800円/当日2,300円
トークゲスト:後藤正文
ご予約はこちら
http://www.uplink.co.jp/event/2013/7621




太陽大感謝祭
2013年3月3日(日)
大阪万国記念公園内 東の広場

10:00~17:00
参加費:無料 ※ただし万博公園へは入園料(大人250円、小中学生70円)が必要
http://www.taiyo33osaka.net/


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