一企業が自社の利益を一番に活動することは悪か。
アメリカ合衆国の「国策」として全面的な後押しを受け拡大した”モンサント”。
世界の食糧の「覇権」を握るために戦略的に躍進している。
劇中ではその様子が克明に語られることとなる。
時には「良心」に訴えかけてくる目を覆いたくなるような現実に思わず口を塞いだ。
遺伝子組み換え作物の問題を知るためには貴重な資料であろうと思われる。
日本においてはモンサントを語る論者がまだまだ少ないのが現状だ。
日本の大手企業とモンサントの関係を知る国民はほとんどいないであろう。
さてここで一側面のみを見て、
「環境が!子供の命が!」と拳を突き上げ大声で叫ぶのは簡単だ。
原発絶対ダメ!TPP不参加!"交渉"への参加すらダメ!のように、
ある絶対的な「主義」に固執し議論することは知的怠慢以外の何物でも無い。
環境や人の命を二の次した”モンサント”と同じであろう。
逆に企業の利益や国益、国際情勢を二の次にして議論するのも以ての外である。
では、経済とそれ以外のバランスをどうするか。
国民の安心と安全を守りながら、同時に財政を賄うにはどうすべきか。
この映画はこれらの問題と向き合うきっかけとなるであろう。
そしてこの映画が、
モンサントのような「バランスの悪い」企業を見抜く一助となることを切に願う。
この祖国に住む多くの日本人に見てもらいたい映画である。