2010-11-16

『 バスキアのすべて 』 クロスレビュー : 「 バスキアの魅力 」 × 「 NYの魅力 」 = 大興奮!! このエントリーを含むはてなブックマーク 

この映画を見たのは、さしてバスキアに興味が有ったからではない。
常日頃から、「 映画なら何でも見たい。」と思っているから見たまでだ。

ところが冒頭のタイトルロール部分で、喜びにウハウハしてしまった!
お洒落なのである。
今までドキュメンタリー映画は、散々っぱら見て来た。
マイケル・ムーアの一連の映画は、問題の本質に斬り込む姿勢は評価するが、
映像的なセンスはダメダメでしょう?
ハートウォーミングな映画も多数有るが、どうしてもハートウォーミングを狙うと、
センスはダサ目になり勝ちでしょう?

この「 バスキアのすべて 」は、冒頭がフランス映画みたいにお洒落で、
画面の切り替えにハイテンポなリズム感が有る。
下手なミュージカル映画より、よっぽど映画全編が音楽的だったんだ!!
これは予想外の収穫だと嬉しくなった。
音楽ファンの私としては、お得な気分を味わえた。

バスキア自身も映画の中で「 音楽は好きで、色々聞いている。」と言っていた。
バスキアが、この映画を見る事があったら、映画そのものが音楽的になっている
事を喜んだに違いない。

そしてこの映画は、正しくニューヨークの魅力を余す所無く伝えている。
この映画はバスキアが主役なのだけれども、ニューヨークだからこそ、
バスキアが生まれたのだと痛感する。

私のアマチュア音感仲間がこう言っていた。
「 日本は芸術家が育ち難い土壌の社会である。」
確かに。
バスキアの才能は、ニューヨークだからこそ花開いたのだと思う。

以前見た「 ミリキタニの猫 」を思い出した。
バスキアと同じく、ニューヨークで路上生活を送るストリート・アーティストの
老人を追ったドキュメンタリーだった。
個人的な事だが私はニューヨークが大好きで、OL時代は盆暮れの長期休暇は必ず
ニューヨークに通っていたものだった。
そんな私に、ニューヨークの魅力を再認識させてくれた映画、それがこの
「 バスキアのすべて 」なのだ。

20年間眠っていたインタビュー映像は、既にバスキアのファンの人達から見ると、
ちょっと物足りないかもしれない。
が、バスキアを知らない人達には、格好のバスキア入門編になると思う。

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二へドン

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