今日はとても気持ちのいいお天気だったので、撮影前にちょっくらお散歩がてら東京国際映画祭へ…
せっかくだから珍しい映画を観よう!と思って、辻仁成の『ACACIA』…ではなくて(笑)、ボリビアのフアン・カルロス・ヴァルディヴィア監督(写真:客席から向かって左から2.5番目の男性)による『ボリビア南方の地区にて』にしました@TOHOシネマズ六本木screen7。
ワンシーン・ワンショットを基本とした斬新なカメラワークが、大邸宅のお金持ち家族と使用人(先住民)の虚実を映し出す…という解説だけを前情報に、初めて観ましたボリビア映画。
確かにカメラが気になる動きをする。
観察ドキュメンタリータッチのカメラワークを意図的に利用したフィクションなのだろうけど、観察ドキュメンタリーのカメラは固定されることが多いのに対し、これは未確認ロボットカメラみたいに浮遊しながらほぼ一定の速度で動いている。
当初、退屈なペースにはまらないかなあ…と心配したのだけど、カメラはこの家族の小さな男の子に少しイレギュラーな反応をする。男の子の頭の中のファンタジーに潜入したりして、その時だけはまるでこのカメラは妖精の視線だったのかと思うほど。
この男の子がとても可愛いくて…。よく屋根の上で空想に耽ってたり、庭の木の家で遊んでたり、使用人になついてたりして、そのやり取りが微笑ましい。
使用人のウィルソンもとぼけた魅力のある男で、奥様のいない間に化粧品をこっそり使ってたりするのが可笑しい。
こうした家族や使用人の虚実というより、様々な人種や階級の人たちの交流を覗けた気がする。
最近、ボリビアでは先住民が選挙に当選したりして勢力が盛り上がっているそうだ。この映画にはそういう未知の社会情勢や文化(衣装や音楽etc)を知る面白さも詰まっている。
たとえば、先住民の葬儀の場面などは土着的な民族性のようなものが垣間見れてドキドキした。
帰りにTSUTAYAへボリビア本を即チェックしに行ったのは言うまでもありません。