ま、スポーツ物には、結構ある話だと思いますが、レスラーが主役というのは、珍しいかな。野球、サッカー、ボクシングなどはあるけど、レスラーって珍しいよね。日本だと、キン肉マンくらいかな。
この映画で知ったのは、プロレスは、ちゃんと事前に打ち合わせをして、その通りに技をかけてるんだなぁってこと。なんとなくは解っていたけど、相談してるとこを見て、あー、そうやって段取りしてるんだーって思いました。
久しぶりに見る、ミッキー・ロークは、年齢を取ったし、顔が崩れてるし・・・なんだけど、すごく味のある演技というか、孤独である不安や辛さ、寂しさを、その全身で表現していて、ジーンとしました。そして、孤独だけど男だから、やっぱり自分の生きられる場所に帰っていくというのが、何とも、悲しいというか、感動というか、言葉に出来ない感情があふれました。”あしたのジョー”の真っ白になったジョーや、力石の姿を思い出す感じです。日本人は、結構、この映画を見ると、”あしたのジョー”とかぶるんじゃないかな。
自分にはこれしか無いから、すべてを賭けて、その世界で生きていくという選択も、また、グラントリノとは違う潔さがあると思いました。潔い男の生き様、素晴らしいです。
今どき、そんな男らしい生き方をしている人を、あまり見たことが無いので、せめて映画の世界だけでも、そんな素晴らしい生き方を描いてくれて、嬉しく思います。
アカデミー賞を貰ったので、話題に上がっていますが、静かな映画なので、万人受けするとは、あまり思えません。大人じゃないと、あまり、この生き様の素晴らしさを解らないんじゃないかと思います。ミッキー・ロークも、現在は、イケメンという部類ではないので、ミーハーで観に行くのは、辞めたほうが良いと思いますよ。