大前提として、某大手系列の某映画館を攻撃するつもりではないので、その点はご理解いただきたい(取材もしていないし、取材する機会を作りたいところ。ゆえにいまはリサーチ中)。
このテキストは、あくまでもそのキッカケ。
そして、音量が小さいというのが、このハナシの根源ではありません(もちろん許せないですけど)。映画館自体のはなしのメモ。
地方の現実が少しは伝わればと思います。
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まず、先日体験したことから書きますと……。
数年ぶりに市内唯一・県内にも数えるほどしかないシネコンで映画を見ました。
見たのは、レオさまの「レヴェナント: 蘇えりし者」。
館内でいちばん大きい画面で見たい“大自然”な映画なのに、なぜこんなに中途半端なスクリーン?……まぁ、大阪の映画館でもそんなところがあるので、配給側との関係かなと思いつつ。
そして、予告編がはじまった。
すぐに気づいた。
とにかく!
音量が大阪の映画館で見るより、驚くほど音量が小さい(あえて2回言いました)。
いや、小さすぎる。
関西の知る限りのミニシアターと較べても体感最低20%は音が小さい。
大劇場だと30%と感じましたよ。
まぁ、予告編だから、そういう音響設定なのかもしれない。
だから、そこはガマンガマン(でも、予告編も映画好きとしては“映画”そのものなのだよ、よりいい環境で見たい。プロデューサーや監督の意図も読み取れるわけだし)。
しかし、本編に入っても、音量はなにも変わらない。
かなり音が小さいままなので、演出的に「ババーン!」的な大きな音で、本来体感するはずの振動も感じることもなく、ヘタしたらウチの標準的テレビの音を少し大きくして見ている感じ。
いや、ホント。
もちろん映画館なので大画面なのだが、音については、確実にホームシアターに負けているとも思った(劇場でドルビーアトモスも体験しているし)。
そこで、まず国民に問いたいのは。
映画は総合芸術なのだから、音は特に重要だと思うのだが……なにか“中途半端なモノ”を見せつけられているような気がしたわけ。
トドメは終盤の沈黙シーンで、そこで場内アナウンスが外から聞こえてきた。
スクリーンから音が消えた……ではなく、より小さくなったとき……つまりまったくの沈黙ではないシーンで「○時上映の……」という“場内アナウンス”が響いた。
さすがに怒り野村満載で、その後画面に集中できないなか、悲しくなった。
というのは、近隣市民も含めて地域住民は、この映画環境しか知らないのですよ。
実際、あとで聞いたら「音が小さいと思わなかった」という地元の声も聞いたし、他県で見た経験者は小さすぎると語った……。
つもり、まさに“井の中の蛙”で、未だに爆音上映されている「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が持つ映画そのものの“映画力”も500%知らないはずだ、あの音量だと。
だから「マッドマックス 怒りのデス・ロード」をバカにしていたヤツが地元にいたのか……と悔しくなった。
にもかかわらず、他の映画館とまったく違う“映画体験”をまったく全国同一料金で、地域住民は見せられているわけである。
そりゃあ、この程度の映画体験ならみんな映画館で見なくなるよ。てか、怒っていいよ、これ。
で、その数日後に、映画の映像と音響を感動的に向上させる……的な近隣市内のセミナーに参加しましたが、参加者も最近は映画館で見ていないとのこと(自称映画好きなのに)……。もろ映画館で映画好きが見ない証明?
また、なぜ音量が小さいのか?
いろいろと意見を聞く限りでは「音が漏れるのでは?」が多数。
なるほど……シアター内の音を大きくすると、各シアターからの音が漏れるので、音量を小さくしている……それはガッテンだ。
しかし、それって、建築的問題でしょ。
東京オリンピック的な大問題と違わないくらい怒っていい話じゃないか。
構造計算書偽造問題じゃん!
でも、井の中の蛙は知らないのである。
気づいても、田舎的人間関係で沈黙しているようだ。
田舎とはそういうところらしいけど、映画好きならば、声をあげるべき。
より最高の映画を、より最高の環境で見たい。
と誰もが思うならば。
そして、大切な人に最高の映画を紹介したい。
より最高の映画館で見てほしいと思うならば。
井の中の蛙じゃあいられないはず。
大好きな女の子をそこ連れて行きますか?
大切な人と見たい映画館ですか?
長くなったので、明日続きます……。
P.S.
同じように他の田舎でも「音が小さい映画館」などの情報があればコメントいただければ幸いです。もしや日本映画界の構造的な問題なのかなと感じてます。