骰子の眼

cinema

兵庫県 神戸市

2010-08-21 23:00


お医者さんの呼びかけにより実現、映画ファンによる映画ファンのためのシアター、神戸・元町映画館オープン

劇場で映画を観て楽しさを共有することの原点に立ち返り、地元に根ざした情報発信地としての映画館を目指す。
お医者さんの呼びかけにより実現、映画ファンによる映画ファンのためのシアター、神戸・元町映画館オープン

2010年8月21日、兵庫県神戸・元町4丁目に新しい映画館『元町映画館』がオープンした。
神戸市中央区元町通り4丁目に位置するこの映画館、開業は神戸に住む大の映画ファンである医師の発案によるもの。地元の映画ファンの繋がりを作りたいという思いから、この地に映画館をつくることを計画した。そして構想から10年、資金と運営に関しての協力者を募り、資金が持ち寄られ、今年ようやくオープンさせることができたという、まさしく「手作りの映画館」だ。
元町映画館は席数66席(+車椅子席1)というミニシアター。「良い映画をみんなで見ること」をテーマに、シネコンではなかなか上映されることのないアート系の作品やドキュメンタリーやを中心に作品がセレクトされている。

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オープニングでラインナップされているのは『狙った恋の落とし方。』そして『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』。オープン後は、上映作品に関連したイベントなども企画していきたいとのことで、映画を複合的に楽しむことができる場になる。またレンタルも行っているので、自主上映としての用途も可能だ。
今後も9月4日(土)からは『トロッコ』、そして『ジョニー・マッド・ドッグ』『コロンブス 永遠の海』『クロッシング』『セラフィーヌの庭』と秀作の公開が続々と決定している。映画館設立が決まってから現在まで、出資者への協力などに尽力してきた、支配人であり、神戸映画サークル協議会運営委員の藤島順二さんは「ようやく8月21日に開業することができました。ひとえにこれも、協力頂いた方々のおかげです。これから末永く元町の人たちに愛される地域に根差した映画館にしていきたいと考えています。今後とも皆様よろしくお願い申し上げます」とコメントを寄せている。
度重なる映画館の閉店や、配給会社が廃業に追い込まれることで、ミニシアター系の作品を日本で観る機会が次第に少なくなっている現在、元町映画館のような草の根で映画への愛を絶やさないようにしようとする運動は貴重だ。大手配給会社の旧作の上映を考えていても、現在のところ実績がないという理由で貸し渋りがあるなど、前途は決して平易ではないという。しかし元町映画館の、劇場で映画を観て楽しさを共有することの原点に立ち返った、全国でも数少ない、映画ファンが作る映画ファンのための映画館としての活動を、応援を続けていきたい。

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元町映画館

神戸市中央区元町通り4丁目1-12[地図を表示]
TEL FAX 078-366-2636
http://www.motoei.com
元町映画館twitter(@moto_ei)

上映スケジュール

『狙った恋の落とし方。』
監督:フォン・シャオガン(憑小剛)
出演:グォ・ヨウ、スー・チー、ビビアン・スー、二宮さよ子、磯村みどり、雪代敬子、松浪志保
配給:ニトリパブリック、サン・バイ・サンワークス
2008年/中国/120分
http://nerakoi.com/
8月21日(土)~9月3日(金)10:30/15:10/19:40
9月4日(土)~9月17日(金)13:30
前売券:1,100円(前売特典クリアーファイル付き)
当日:一般1,700円、学生1,000円、シニア1,000円、神戸映画サークル1,200円

『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』
監督・脚本:高畑 勲
原作:ルーシー・モード・モンゴメリ
配給:三鷹の森ジブリ美術館
1989年(再編集)/日本/100分
http://www.ghibli-museum.jp/anne/
8月21日(土)~9月3日(金)13:00/17:40
前売券:なし
当日:一般1,700円、学生1,000円、シニア1,000円、神戸映画サークル1,200円

『トロッコ』
監督:川口浩史
出演:尾野真千子、原田賢人、大前喬一、ホン・リウ、チャン・ハン
配給:ビターズ・エンド
2008年/日本/116分
http://www.torocco-movie.com/
9月4日(土)~ 11:00/16:00/18:30
9月4日1回目上映終了後、川口監督の舞台挨拶あり

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