日本語タイトルは、”ティツィアーノ風Ⅱ”。
英語タイトルは、”Tiziano styleⅡ”。
ティツィアーノ作「後悔するマグダラのマリア」
(http://bit.ly/kbCiWV 異国の方のリンク : Flickr)
に触発されて描いた作品。
顔は意匠の拝借に留まるが、髪は模写に近い。
背景の文様は霊芝雲文。
画像は修正版。修正前 http://bit.ly/lBUeon
ティツィアーノ(Tiziano Vecellio 1487/90 - 1576)は90歳位まで生きたとされる。
カメラの無かった当時、動的なフォルムを捉えるその描写力とセンスは圧倒的で、
若い頃から成功し、死ぬ間際まで間断なく作品を発表し続けた長命の天才だ。
芸術は長く、人生は短い。
一般的には”生涯を賭けても極め難いのが芸術というものだ”ぐらいの意味だろうが、
”天才”の彼には無論当てはまらない。
ただ、自分の好きな作品は前半生に集中していて、
彼の後半生の枯れた作品を、味わい深いと褒めそやす好事家もいるが、
精度の高い前半生の作品が失われたなら、彼の名声はどれほど保たれるだろうか。
既にブランド化した後半生の作品の多くは、
殺到する注文をこなすうちに質の低下を招いたとしか思えない。
そもそも、芸術を時間という一面からとらえた先の言葉は、
かなり言葉足らずだし、技能は右肩上がりに向上するものという妄信に基づいている。
天才といえども機械ではないから、質を保とうとする堅い意志が常に必要なのだ。
芸術は長く、人生は短い。
生存中の人間が使うと、この言葉は言い訳の意味合いを帯びる。
ネガティブ思考の所産でもある。
彼のような早熟の天才ではない者からすれば、
自分を早々に凡才と認めた言い訳でしかない。
もう少し時間があれば、もう少しマシになった・・・。
この日記においても、図らずも何度かこの言い訳をしてしまっている。
質を向上させる意志の萎えを時間の問題にすり替えてしまっている。
志の萎えをごまかすほどには人生は短くはない。と今は思う。
次回から、時間不足を精度の低さの理由にできないように、
期限の縛りを緩め、質の向上に重心を移そうと思う。
期限は相変わらず設けるが、得心行かなければ期限を延長したい。
実は、こうしたゆとりが出来たのは、Twitterにて巡回画廊のようなbotを作成したためだ。
https://twitter.com/elpoeptac_bot : Koujirou Tomatsu (elpoeptac_bot)
現在は、art関連のハッシュタグと@art_fanに向けて、
8時間置きに自分の作品と、好みの名画をツイートする設定にしている。
時間不足という脅迫的な焦燥感を和らげることに少しばかり貢献してくれそうだ。
唯、当面は人目に触れる機会は増えるだろうが、
新作が乏しかったり、質が低ければ、飽きられるのも早いだろう。
●作業工程ログ
art 戸松 公二郎(@elpoeptac)/「女46」の検索結果 - Twilog http://twilog.org/tweets.cgi?id=elpoeptac&word=%E5%A5%B346
●公開告知ツイート
NEW : Woman 46 - Tiziano styleⅡ Revision #Flickr http://bit.ly/jMFQIt #followart #art #painting
●次回予告
女47 storm : 嵐。
顔を覆い隠す髪が主役。
長いみだれ髪が、顔に張り付くように渦巻いて、
間隙から横目の女性が垣間見える。
片方の目と鼻先と唇と。
Flickr: elpoeptac Photostream http://bit.ly/lwzMaw