2011-03-17

今は「癒し」ではなく、「集い語る事」が東京の人に必要 このエントリーを含むはてなブックマーク 

原発の状況が刻々と変化する中、まとまった事を考えるよりも、会社の問題を解決する事で手が一杯ですが、明日開催する映画『ANPO』とそのイベントを中止するかどうかについて社内スタッフ、ゲストで来ていただく、イルコモンズ(小田マサノリ)さんとリンダ・ホーグランド監督とメイルでやり取りしました。
以下、その時に考えたことをまとめておきます。

1)イベントを開催するに当ってまず主催者として観客の安全が第一である。
アップリンクのビルは専門家ではないが、3.11の地震にも堪え、問題がないように思える。ただ、関東に地震が起きるかどうかはわからない。でもそれは今に始まったことではない。

2)放射能については、NHK報道を信ずるならば、東京は安全である。今朝テレビを通して、30キロ圏内の市長が電話で訴えていました。「健康に害のない放射線量なのに、30キロ圏内というだけで、支援物資の運転手も怖がって近づかない、政府は、ここは安全だときちんといってほしい」。200キロ以上離れた東京はこの情報を信じる限り安全だと思う。

3)この状況で映画というエンタメを上映する是非。僕らはそれを生業としている、その仕事が社会に必要で人々の心を豊かにし、多様な考え方があることを提示する事だと信じている。

4)さらに明日やる『ANPO』の上映は、映画の上映にトークがある。以下、関係者に出したメイルです。

-----

テレビやネットの情報にかじりついているのが現状の私たちが、数十名ですけど、一カ所に集まり、意見を交わす場を持つ事は特に必要だと思います。
自宅待機、計画停電で孤立した人々の心をエンターテインメントで癒すのではなく、「語り、考える」場として行いたく思います。
話しの内容は、今この時ですから映画『ANPO』のことでなく、震災のことに自ずとなるでしょう。もちろんそれは安保と大きく係わります。
その場には、「英語に堪能な」もちろん「日本語も堪能」なアメリカ人のリンダもいます。海外の情報を私たちより理解しているはずです。
ツイッターなどのソースがはっきりしない情報より、リンダから話しを聞く方が自分の考えを深めるために有効だと思います。

私は、今、東京の人々はどこかに集い、意見を交換したいと思っているはずだと信じます。
今は「癒し」ではなく、「集い語る事」が東京の人に必要な事だと信じます。
ネットは一見繫がっているようで、ふと横を見ると誰もいません。
始終ネットをしていても一人で自宅で食事をし、一人でテレビを見る時はいつもよりも強く「孤独」を意識します。

だからこそ、「安全ならば」、一つの場所に集い、考えを交換し、共有する場が、いまこそ強く求められており、
それを提供できる立場にいるアップリンクとしては上映とイベントは行うべきだと思います。
そして、エンタメの映画ではできない事がANPOの上映とトークだと強く信じます。

ですので、せっかくの上映とトークのこの機会をつぶしたくありません。

---

ですので、明日の19時からアップリンクで上映する『ANPO』そしてその後のトークに是非参加ください。ゲストは、イルコモンザ(小田マサノリ)と湯浅一郎氏(ピースデポ代表)とリンダ・ホーグランド監督です。

キーワード:

ANPO / 地震 / 原発 / 放射能 / リンダ / イルコモンズ


コメント(0)


浅井 隆

ゲストブロガー

浅井 隆


関連骰子の眼

関連日記