2012-12-19

放射能時代を生き抜く道しるべ――「暗闇の発酵食堂」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

自民党・安部ゾンビ政権の復権という結果への脱力、無念、落胆から一夜明け、今は逆に背筋を正す思いでいる。
放射能時代を生きる私たちにとって、その問題を「なるべく先送り、またはなかったことにする」国民的合意に達してしまったことで、僕たち自身が変わらざるを得なくなった。政府に反核、脱原発が期待できない以上、「自分の身は自分で守る」ほかないからだ。

これからの日本社会は、否応なく「放射能へのスタンス」で生き方が問われ、未来すら変わってくる、そんな気がしてならない。「放射能と向き合う人」と「放射能をなかったことにする人」というふうに。

本来、人間社会に不要なはずの「原発」という負の産物を推進してきた、行政や産業界こそ“戦犯”として当事者責任があるのは当然だ。
ただ、「経済成長」の名のもと巨大利権構造に目をつぶり、推進を容認してきた私たち国民の大半も、放射線汚染の被害者であると同時に、間接的な責任を(未来の日本人や他国の人々、動植物に対して)負っている。2012年の日本に生きている時点で、誰も「放射能をなかったことにする」ことはできない。

では何をすればいいか?
反原発運動や、原子力に変わる代替――自然エネルギーの推進などは、もちろん根っこの大問題だ。それらをやるに越したことはないが、一般市民において「生活の一部を投げうってでも」やれる人は限られるだろう。

そこで、手っ取り早くできることは二つ。
まずは消費社会どっぷりの僕たちが、「節電」をはじめ、すでにある生産・消費サイクルを見直し、「減らす、捨てる」こと。大企業を動かすのは一大事だが、個人レベルならとっととできる。

そして、不可避である放射能から「身を守る、被害を和らげる」こと。すなわち、放射能を防御する知識を学び、実践すること。
「減らす、捨てる」ことに比べると積極的な取り組みだが、それでも四六時中こわばり、おびえて生きる必要はない。大事なポイントをいくつか押さえ、その上でなるべく「気にしすぎず、しなやかに生きる」ことが精神衛生上のぞましいだろう。

そのポイントを押さえる上での一助となるイベントが、渋谷アップリンクで不定期開催中の「暗闇の発酵食堂」だ。

くわしい内容は下記のサイトをご覧いただきたいが、勉強会的な堅苦しい講習ではなく、食という日常の行為を通じて、放射能を“楽しく”体感するというスタイルが出色だ。
泣いても笑っても放射能はやって来るのだから、どうせなら“楽しく”お付き合いしたほうが健全だし、多くの人の共感を集めやすい。

これほど「百聞は一見にしかず」のイベントもないので、とにかく体感してほしい。いや、暗闇なので正確には「見る」のではなく「聞く」「味わう」「感じる」。
そう、「暗闇」ということで、節電時代のシミュレーションともいえそうだ。第2回は12/20夜開催、まだ空席があるそうなので、お義理の忘年会に行くくらいならぜひ。

【筆者による前回イベントの紹介記事】
http://ameblo.jp/studiopocket/entry-11379841289.html

【公式サイト】
http://bfrec.com/tasting.html
http://www.uplink.co.jp/event/2012/3936

キーワード:

放射能 / 発酵食 / 玄米


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青木ポンチ

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青木ポンチ

“株式会社スタジオポケット所属の編集・ライター。 【Twitter】 http://twitter.com/studiopocket”


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