あの裕木奈江といえば、女性ウケがよくないとか、“バッシングの女王”とか、
とかくネガティヴなイメージで記憶されている女優と一般には思われがちだけど、
しかしその後、活路を日本だけじゃなく海外に見出して、
巨匠クリント・イーストウッド監督の 『硫黄島からの手紙』 や、
鬼才デヴィッド・リンチ監督の 『インランド・エンパイア』 に、
決して小さくない役で起用されているんだから肝が据わっていると思うし人として本当に大したモンだと思う。
エリカ様もウソ泣きばっかしてないで少しは彼女の爪の垢を煎じて呑むべきだし、
職場の人間関係がウマくいかないとか、人生が面白くないとか辛いとか、
チョットしたことですぐに悲観的になるようなタイプの人は少しは彼女の“打たれ強さ”を身に付けるべき。
そう、今のこの閉塞的な日本社会に欠けているのは実は“裕木奈江”なのだ!
そんな中!
その裕木奈江がアメリカ大陸からグリーンランドを飛び越え、
北極圏の小さな島国アイスランドへと渡り出演した映画が間もなく日本初お目見えとなる。
それが、我ら「トーキョーノーザンライツフェスティバル2011」がジャパン・プレミアとして堂々お送りする、
『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』!
タイトルだけ聞けばメガネをかけたギターヴォーカルが直立不動で歌っているバンドの名前みたいだし、
頭文字を取って“RWWM”とするとまるでアメリカのハードコア・プロレス団体みたいなんだけど、
実はこれ、アイスランドで史上初めて創られたなんとホラー映画。
勘のいい人はタイトルですぐにピンとくる通り、本作は70年代ホラー映画の金字塔、
『悪魔のいけにえ』(原題:「テキサス・チェーンソー・マサカー」)にオマージュを捧げた1本で、
しかもタイトルや内容だけじゃなく、
本家でかのホラー史上屈指の名キャラクター“レザーフェイス”を演じた伝説の俳優、
ガンナー・ハンセン(実はアイスランド人だった!)がカメオ出演しているというかなりのレア物なのだ。
オマケに話の内容が、捕鯨を禁じられて喰いっぱぐれたある一家が、
レイキャヴィク(アイスランドの首都)の観光名物ホエール・ウォッチング船を乗っ取って、
呑気な観光客を次から次へと血祭りに上げるという(要は逆恨み)、
まるで 『ザ・コーヴ』 にケンカを売っているような内容で、“裕木奈江”に“捕鯨”と、
ホラー映画ファンのみならず我々日本人にとって親近感を抱かずにはいられないような1本になっている。
アップリンクの上映で観ればなんと“クジラ肉のおつまみ”が付いてくるし、
ここは一つ、美味しいクジラ料理に舌鼓を打ちながら、
日本人が出演している捕鯨同盟国アイスランドのホラー映画を観て、
遠い北欧を身近に感じてみるというのはいかがだろうか?
何も海外で頑張っている日本人はサッカー日本代表だけじゃない! お待ちしております!
(アジア杯優勝おめでとうございます!)
「トーキョーノーザンライツフェスティバル2011」 http://tnlf.jp/
2月12日(土)-20日(日)@渋谷ユーロスペース&アップリンク
『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』 上映日時
①2月12日(土) 21:15@ユーロスペース
②2月20日(日) 19:15@アップリンク・ファクトリー(WEB予約制)
トーキョーノーザンライツフェスティバル 栗本東樹(ライター班)