2008-05-06

ROVO presents MDT Festival 2008 at 日比谷野音 このエントリーを含むはてなブックマーク 

東京は少し曇り空。スタート時間に微妙に出遅れた家族4人、向かう日比谷公園はちょっと雨が降り始めたばかりという感じだった。

まずOKI DUB AINU BANDがトップバッター。初観戦だったのだが、とにかくリスペクトする知り合いから「これはまさしくオリジナル、きっとどこの国でも唯一無二として受入れられる」と言わしめただけある、本当に素晴らしいバンドでした。トンコリ(アイヌの伝統楽器)の音は別の音源でも聴いていますが、よもやここまで近年のバンドサウンドに溶け込んだ解釈で奏でることができる民族楽器なのかと、そしてそのバンドの懐の深さをこんなにシンプルに堪能できたのはそうそうありませんでした、、、っというか、ホント知らなかったんですが沼澤さんがドラムなんですね!!(驚、普段あちこちの現場でいつもお世話になっているのに、メンバー紹介するまで知らなかったおのれの頬に平手打ち...(戒

そのあとはtoe、じつは今回のtoeのMDT出演の経緯は個人的にはちょっと面白くて。たまたま去年SOURのレコーディング(僕がプロチュース&MIX、美濃クンにレコーディング・エンジニアを頼んだプロジェクト)で小淵沢にいた時に、勝井(祐二)さんから僕に電話をいただいて「今度のMDT、ぜひtoeを呼びたいんだけど、連絡わかるかな...」と言われて、すぐ「あ、いま作業中なんですが隣に(メンバーが)いますんで代わりますね〜」と即座に美濃クンに替わり、、、で決まったという(笑、なんとも偶然の繋がりと、そのレスポンスが可笑しいくらいスムーズに流れて決まった選出だったんです。だからというのもあるのかもしれませんが、感慨ひとしおありつつ、相変わらず良い意味で普段と変わらない彼らの音に見事に引き込まれる、、、一曲一曲を丁寧に紡ぎ上げるような感動的なライヴに終止陶酔したのは言うまでもありません。後で聞くに多少トラブルもあったみたいですが、前回の『DO MAKE〜(詳しくはバックナンバーへ)』の時よろしく、ビックリするくらい安定した演奏(ここでいう『安定』は、彼らの昨今のライヴで垣間見えるストイックなアレンジをも含む)で、観客を引き寄せていったと思う。
 ちなみにヤマちゃんのMCで「いやー、まーこのバンドのメンバーは全員イ◯ポですから」という、突っ込んでも突き放しても収拾不可能なギャグを、たまたま隣にいたお客さんがが「あー、これが名物の突き放しギャグ?」と言っていたのには正直胸がすく思いだった(爆。いや、間違ってないです、鋭すぎですがねっ。

そして、ほんのすこし雨脚の強くなってた頃にROVOのスタート。うすら暗い夕方の曇り空の中、徐々に照明が演出し始めるのが観ていて心地いい。最初から感じた、今まで以上にシンプルでミニマルな進行から楽曲が進んでいくセットリストに(もちろん、形骸化したものとは別の)ロックなイメージを色濃く感じるライヴ、という印象を強く感じました。また照明もとにかく「変にサイケデリックでなく、変にトランシーでなく」という、ちょっと今までに観たROVOとは違うイメージ。個人的にピーター・ガブリエル在籍期のジェネシスのライヴを彷彿とさせるような、ちょっとストイックでもありアカデミックでもあるようなプログレッシヴさを色濃く感じたライヴでした。

個人的に原田さんの弾いてたベースの観たことも無いビザール感に心奪われ(どうもIbanezらしいんですが詳細は分からず...)、尚かつ益子さんのDX-7を使ったオシレーターフレーズの超絶テクに感嘆の声をあげ、岡部さんのフルショットなサウンドに耐えきれなくて悲鳴をあげてたマイクの音や、終止音はストイックながら全ての展開を変えるフィル・インを的確に、そして鋭利に「切り」刻んでゆくような芳垣さんのフレーズの凶暴さなどに、もうぎゅいんぎゅいんに持ってかれました。そして毎度「ひと味違うぜ」と訴えかけ、確実にROVOという音楽のパーテーションをざっくざく切り開くように演奏していく勝井さんのそのフォトジェニックな姿にも感動。

あと、全く別でOKI DUB AINU BANDのPAである内田さんとちょっと機材(こと、ヴィンテージのエコー・マシン)のお話ができたのが嬉しかったり、もっと言うと、山本(精一)さんに「micromicrophone(ワタシのソロです)っていうのがスゴく良いって知り合いに言われたんで、今度聴かせてくださいな」って言ってもらえてちょっと興奮した。

ぶっちゃけ「『羅針盤』はずーっとすきなんでうよぉぉぉぉ、、、」と、何度もお会いしているのに一回も言えたことの無いワタシ(恥。山本さんとセッション(僕と山本さんと七尾旅人クンという、ちょっと今では考えられないメンツです)はしたことありますが、ベアーズで自身のソロライヴを夢想するワタシには、山本さんにそんなこと言われるなんてちょっと嬉しすぎです。

ま、今日はオレの誕生日。夢に溺れてもいいだろ?なあ。

キーワード:

ROVO / toe / OKI-DUB-AINU-BAND / 音楽 / Live


コメント(1)


  • koro 2008-05-06 15:38

    はじめまして、ミトさん。
    誕生日おめでとうございます!
    いいなぁぁ。。rovo聴きに行かれたのですね!

mito (clammbon)

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mito (clammbon)

“(2年以上ほったらかしてた)Twitterを復活してみます。 http://twitter.com/micromicrophone”


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