(左から)明石興司(ベース)、成井幹子(バイオリン)、田岡浩典(ギター)、大野均(ドラム)
ROVOの勝井祐二やVJ迫田悠とのコラボレーションをはじめとした多彩な活動により、現在のインスト・シーンで着実に知名度と評価を上げているバンド、sgt.。ニューアルバム『capital of gravity』は、全6曲収録の音源に彼らとも交流の深い旅団の毛利元祐による短編小説が封入されたパッケージにより、バンドの世界観を多角的に感じることができる内容となっている。インプロビゼーションを効果的に導入しながら、メロディアスなバイオリンの旋律とタフなアンサンブルが生む妙は、ここにきてさらにバリエーションを広げている。新作について、そしてバンドの活動する姿勢についてリーダーでベースの明石、そしてバイオリンの成井の両氏に話を聞いた。
4人のメンバーの意識がさらに一致してきた
── 前作のフルアルバムから約1年で、新しいミニアルバムと、かなりコンスタントにリリースを続けていらっしゃって、これはやはりバンドとしてもかなりいい創作意欲が溢れている状態なのかなと思うのですが、アルバムできあがってみていかがですか?
成井幹子(以下、成井):前回のアルバム『Stylus Fantasticus』は、長年ためていた曲をまとめたものなので、それができあがってまた新たなスタート地点にいるという自分たちがいて。仕切り直しじゃないんですけれど、気持ち的にすごくリフレッシュしていて、新しい作品を作っていく意欲がとてもあるんです。
──『Stylus Fantasticus』はビジュアルも含めトータルで完成度の高い作品だったと思うのですが、あの時点での集大成的な気持ちもあったのでしょうか?
明石興司(以下、明石):総括という言葉がふさわしいか解らないですけれど、やっとやりたいことができて、これがsgt.です、という名刺としての一枚だった。アートワークとかも含めて意識して力を入れて、そこでつかんだ自分たちの方向性やビジョンをさらに少し追求したのが今作ですね。自分たちのなかで、もっといろんなこともできるという意欲がわいてきたし……。
成井:チャレンジしてみたこともいろいろあった。
明石:友達のバンドも増えていったりしているし、今の音楽業界の状況のなかで、もっといろんなことに挑戦していかないといけないんじゃないかと。そういう思いと勢いをこめた作品になっている。
成井:前作は新メンバーのヒロ(田岡浩典)が参加したり、総括的な内容だったけれど、それを作っている時点でもう次のことを考えていたりしていて。
明石:全体の方針というか、10月までにアルバムを出すぞって決めて、曲作りをして。
── 6曲ですけれど、曲調のレンジは明らかに広がっていますよね。
成井:まったくポップな曲もあったりして。sgt.の音楽って今まではシリアスで暗い曲が多かったんですけれど、あえて明るい曲もやってみたいなと思って、バイオリンの替わりにピアノを入れたり、というチャレンジがありました。
── バンドのなかで、新しいことへの意欲がどんどん高まっているんですね。
明石:ここにきてあらためてメンバー同士のコンタクトや、曲に対するレスポンスが合ってきたなって。やりたいことをおおまかにメンバーに伝えても、作業が進めやすいというか。
成井:あうんの呼吸ですね。
明石:そういうものが解ってきたことは大きいかもしれないですね。じゃあこういう感じのことを、とか、バイオリンを弾かずにピアノだけでもいいんじゃないとか。
── 思い切ったことができるようになったんですね。
成井:ひとつのコンセプトがあったら、それに向けて4人のメンバーの、ここはこうするべきだよねという意識が一致していたんです。
── 今回の曲作りに関しては今までの制作と比べて変わってきたところはあるんですか?
明石:やり方は変わらないです。ネタを持ってきたり、その場のセッションをあらためて構成を立て直したりして。メロディを作るのはバイオリンの成井ですし、リズムもいろいろ意見を交わしたりしても、最終的に叩くのはドラムなので。
── そうすると今回はアルバムとしての世界観がはっきりあって作っていたんですか。
成井:アルバムの最初のイメージはなかったんですけれど、コンスタントに楽曲ができていったので、それをまとめて考えてみたら、こうなりました。
明石:僕はリーダーとして、いちおうこういうアルバムでこういう曲を入れて、こことここは鉄板で外せない、その上でどの曲を作るかとかどういう全体を作っていくかを考えていました。最初に「Apollo Program」と「Epsilon」の2曲を作って、いわゆるポストロックと言われる世界観が強い曲と、僕が好きなジャズとか変拍子とか、というのが混じったものができて。sgt.らしさとして表現したいこと、伝えたいことが強かったので、この2曲を主軸にどう全体を作っていくかというのを考えました。
── 「Apollo Program」と「Epsilon」は、お話の通りsgt.のセオリーを踏襲しながら、さらに広がりのある楽曲になっていますよね。
明石:「Apollo Program」は最初にみんなで試して、このコードでベースがあるから、バイオリンは自由に弾いてもらって、ドラムも自由に叩いてもらった。その音源を元に再構築して。発想としてはドラムのリズムとバイオリンのメロディが活かす、というのがひとつのキーワードとしてあって。バイオリンのメロディだけではなくて、ドラムとベースといったリズムの部分に、ギターがどうバイオリンと絡んでくるかというのが大事かなと。バイオリンをメインにしたバンドなんですけれど、バイオリンひとりがまわしているんじゃないというのが表現したいところでもあるので。
── 重厚感あるリズム・セクションが柱となっていて、そこにバイオリンが加わるというバランスが推し進められていますよね。
明石:「Apollo Program」はアグレッシヴだったね。もう最後の方は流れで作ったんだけれど、ほんとスタジオで、なぜこんなにハードコアになるのか、というところまでやって。最後にもう一度揃えて今の形にしたんです。
成井:このフレーズがいいからこれを活かそうよ、って。
── 曲の疾走感も、音圧としても、攻撃的な感じが出ています。
明石:攻めて攻めてという感じでした。
(左から)成井幹子(バイオリン)、明石興司(ベース)
── 「Epsilon」については、前半のロマンティックな感じから、ジャジーになったり、アブストラクトになっていくなど、刻々と変わっていく構成が面白いです。
成井:これは最初にドラムとベースが十拍子だったり八分の四だったり、より複雑なリズムにチャレンジしていった。その感じだとけっこう難しくなって解りづらい曲になっているというのが解っていたので、(メロディを担当する)私の立場として、もっと解りやすくしたいなと思って。
明石:そこでサビを作ったんです。それを最初に持ってこようというので、幻想的なところからはじめるかたちになったんです。
成井:これはsgt.っぽい雰囲気というのはまだ残っていると思うんです。
明石:それをある意味壊したかった。
成井:確かに終盤とかは壊れているよね(笑)。
── この曲は、サックスで大谷能生さん、ピアノで中村圭作さんが参加されていますが、どういった経緯で?
成井:楽曲はもちろんなんですが、まずプレーヤーとしてすごい尊敬している面が強くて、もしサックスと鍵盤を弾いてくださるんだったら、大谷さんと圭作さんに弾いてもらいたいなという気持ちのほうが強かった。
明石:メンバーの気持ちとしてはそうでした。楽曲としては、どうしてもサックスの音がほしかった。実はバイオリンとサックスの音というのは音域が被ってしまったりして難しいんですよね。技術的な難しさがあるんですけれど、それをうまくできるのは大谷さんしかいないと。MASというバンドでも一緒にやっているので、息はあっているので。それから、リズムの部分では圭作さんがいろいろやってくれているんですけれど、それもプレイとしてリズムとバイオリン、サックス、さらにベースというのを全部まとめてひとつにしてもらえたような気がしています。だから起用としては僕らの思惑以上のものにしてくれた。
── それはコラボレーションの成果ですね。
明石:リハの段階よりも本番のほうがそれ以上のものができて、最高な曲ですね。
お客さんと対等になりたい
── この2曲をメインにして、例えば「Kalliope」はとても浮遊感があるムードだったり、「Ant's planet」であればエフェクトがとてもチャーミングだったり、sgt.のバンドとしての幅の広さが際立っているアルバムだと思います。
成井:「Ant's planet」はセッションをしていて、私が鍵盤を弾いて、ドラムとベースとみんなで入って、面白いリズムだねっていう話をしていたところから始まったんです。しかもめちゃくちゃ明るいから、これもアルバムに入れてみたらおもしろいんじゃないかなと。この曲にも圭作さんが参加していただいているんですけれど、まだなにか足りないと、もっと明るいジョークにしたかったから、圭作さんにも遊んでいただいて、よりファニーな仕上がりになりました。バンドのシリアスなイメージを取っ払ってやるんだよって。
明石:真面目なバカ、本気のバカみたいな(笑)。こんなことも僕らはできるということをしたかったんです。なかなかそういうイメージで見てもらえなかったので。
── でもライヴでのドラムの大野さんのMCとか、実はsgt.はおもしろい要素もすごくありますよね。
明石:だからちゃんと日常を生きてる人ですよっていうのは強く思っていて。メンバーとも話して、そこで今回小説を入れようという話にもなってくるんです。リアリティというか現実というか、僕らはいま生きているんだという、そこでもう少しお客さんと僕らの距離を近づけたかった。西洋的とか幻想的と思ってもらえるのはすごく大事で、それも守りたいことでもあるんですけれど、もう少しその手前にある生身のもの、喜怒哀楽があって、作り込んでやっていないところ。笑いたいときは笑いたいし、そういう人間の血と骨というか、生きていることの象徴的なものを作ろうと。でそこに小説というか文字があったらもっとおもしろいんじゃないか、と思って書いてもらったんです。
── 旅団の毛利(元祐)さんはこれまでも文章を書かれていたんですか?
明石:そうです、物書きを目指していて、彼の文才が気になっていたので、遂にここでこじあけてみようかと、一回書いてもらって良かったので、短編集として何本か書いてもらいました。こういう感じの世界で、と指示もしたんです。
── アルバムの世界観に即した物語ということでお願いしたんですね。
明石:そうです、セットにしているというのはそういうことです。お客さんがどう捉えてくれるかは自由なんですが、インストなのに文字で説明しているようなものですから、自由な想像を強制する部分もある。それはある意味賭けですけれど、一回ここでやっておかないとなと思って。
── インストという音楽の、言葉がない自由が妨げられる不安があった?
明石:それはずっとあります。白と思っていた曲が黒だとお客さんに言われて驚いたり。でもそれは訂正することじゃなくて、楽しんで黒って言っているなら、黒。それで僕は納得しているんです。やはり表現者でありたいという部分もあるので、楽しんでもらうだけや投げっぱなしの自由だけじゃなくて、やはりここまで一回作ったんですよ、というラインを作りたいんです。
成井:自分たちの提示したものがあったうえで自由に楽しんでもらいたいと。
明石:一回こっちに来てもらって、あぁそうなんだっていう後にどう捉えてもらうかは自由なので。こちらが失敗したとかいう話じゃない。お客さんと対等になりたいというか、こちらもお客さんにもそう思っていただいてもいいんじゃないかと。いやこうなんじゃない?ってこの作品の後になにか意見があるかもしれないけれど、それを純粋に受け止めて、僕らのやりたいことをまたやろうって思います。
── そうした気持ちになられたのは、ライヴを続けてきたなかでのオーディエンスとのコミュニケーションや、作品に触れた方の感想が影響しているんでしょうか?
明石:そうですね、あと僕らはやっぱりライヴバンドということをどこまでも自信を持って言いたいんです。あくまで作品は作品の良さで提供したいし、もちろんいろんなところで聴いてほしいです。ただそれを経てライヴにおいて成立するものというか。ライヴってバカまるだしのところとか、きれいなところとか、そこに小さな世界があるんじゃないかと思うんです。だから一辺倒だけの世界観で見られているのはいやだなって。
成井:そうだね。
明石:ライヴにまで繋がるような作品ですね。
── 成井さんはライヴでも衣装とか、女性のお客さんに声をかけたり、そうしたオーディエンスとのやりとりをこだわっていらっしゃる印象があるのですが?
成井:sgt.はやっぱり音楽はシビアな、どんどん突き進んでいく曲ばかりが多いんですけれど、かたやMCは普通の生身の人間に戻って、そこはぜんぜんかっこいいところをみせたいというのじゃないですけれど、僕たちそんなバンドじゃないですみたいなところがあって(笑)。歌がないので、どうですか?楽しんでますか?ってコミュニケーションをとりたいなって。
明石:だから最近はお客さんと目を合わせろ、と言ってるんです。楽しんでるの?っていうのを確認しながら。やっぱりそこに人がいて僕らがいるというのを僕らも理解したい。ただやってるから来てくれたじゃなくて、来てくれる人がそこにいるから僕らが立ってる、というのもしっかり伝えたいところであるんです。
──フロアから見ていて変わってきているのを感じます。以前はみなさん呆然と立ちすくんで棒立ちだったり、見守っているという感じがありましたが、最近はガンガンに踊ったり、さまざまですよね。
明石:じっと聴いてくれる人もいれば、声出すひともいれば自由ですよね。そのバランスがもう少し大きくなればいいですけれどね。
sgt.がひとつの生き物として歩んでほしい
── 先ほど明石さんもお話されていましたが、今の世の中でどういう表現をすべきか、どういう音を鳴らすのが有効なのか、というのは、バンドとして意識せざるをえないのでしょうか?
明石:それは十分ひしひしと感じます。これをやったら確実にリスナーは喜ぶんだろうな、でも僕たちこうしたいんです、みたいな。そこは感じなから、解っていただきたいという努力をしながらです。だからすごい悩みます。
成井:例えば今回のアルバムの曲も、難しいことにチャレンジしているんですけれど、メロディに関しては聴きやすい音楽なんじゃないかなと私は思うんです。それで、もっとポップにするべきなのかということも思いますけれど、やっぱりそうじゃない。
明石:例えば四つ打ちをやったらいちばん盛り上がるじゃないですか。でもここでやったら盛り上がるところで四つ打ちを止めようとか、でも止める理由もちゃんとないと意味がない。僕らもやりたいことがあるしい、聴いてほしい気持ちもあるので、そのバランスはすごい考えながら、やりたいことをやっている。たぶんsgt.がひとつの生き物として歩んでほしいなというのを思うんです。それをメンバーも思って、それをお客さんが理解してくれるかなって。一人歩きじゃなくて、ちゃんとメンバーとバンドが歩んでいる、そういう風にしたい。お客さんの気持ちも考えて、バンドの大事さも守りながら。
成井:守るというよりも、むしろ壊してなんぼじゃない?(笑)そこから新しい方向が曲が出てくるので、いいんじゃないかと思います。
── 最後の「銀河の車窓から」は、Tyme.によるリミックスで、これまでも四つ打ちやダンスミュージックの要素はありましたが、ここであえてリミックス音源を発表されたと思ったのは?
成井:もともとこの「銀河の車窓から」は、お客さんからすごい愛されている曲で。メンバーが替わって、新たにこの曲をやってみようというときに、今ライヴでもやっているんですけれど、それを収録するんじゃなくて、人の手にゆだねてみないかという案があって。それをMASというバンドのヤマダさんが「俺のなかのsgt.」というテーマでアレンジをしてくれて、彼自身もすごい自信を持って「sgt.を最大限に活かしたと思う」と言ってくれました。
明石:一発でよかったです。ヤマダさんとのつきあいは昔からあったんですけれど、誰かに頼みたいなと思っていたんですけれど、頼むならsgt.を理解して技術がある人がいいなって。ヤマダさんは以前からリミックスしたいと言ってくれていて、その機会があったらお願いしますと、それでやっと今回やってもらえる機会ができました。
成井:びっくりしましたけれどね。
── 最近のエレクトロの要素もありながら、また個性的な感じになっていますよね。
明石:彼自身の攻めの気持ちもあったと思います。そこを優先して作ってくれって。
成井:ぎらついてる感じ(笑)。
── ライヴでもハイライトを飾る曲が、またキラキラ感が増していて、かっこいいですね。そしてアート・ディレクションが、前作は迫田悠さんでしたが、今回はmitchelさんです。サウンドとヴィジュアルの連動についてはどのようなことを考えていましたか?
明石:小説の話が先にあって、すぐデザインも彼に決めて。男のタッチで絵が書ける人が良かった。
成井:迫田さんは女性的なアートワークですけれど、今回はリアルを追求していたので、男性のガツガツした感じ。そういう質感って男女違うからね。
明石:彼は繊細さも出せるんですけれど、音源と小説を渡して話し合って、イメージを近づけたりとかリアリティを考えていきました。
── 今までのファンタジックな感じと比べると骨太さはありますね。
明石:もう一度ここから始まる感は出てるんじゃないかな。
今の自分たちそのものが反映されているアルバム
── 今日のお話のなかで、おふたりからリアリティという言葉が何度か出てきましたが、sgt.の音楽ってこれまで幻想的であったり、童話を読んでいるようなストーリー性はあったと思うんですが、そこに生身の人が演奏している感じというか、そうしたリアリティをことさら意識されるようになったというのは、大ききな変化だと思うのですが?
成井:そう思います。今の自分たちそのものがアートだったり小説だったり曲だったりにもっと反映されているんじゃないかな。
明石:僕はただいいものができたなという気持ちですけれどね。今までもいいものはいいというのは僕らのなかにしっかり流れていると思うので、それプラスということですよね。
── 今後の展望についてはなにかありますか?
明石:今回、絵と小説に加えて、デザインをやってくれたmitchelがPVとして映像も作ってもらっているんです。文字の強さと絵の強さ、映像の強さという、その全部を、あらためてちゃんと一から練って、今度はフルアルバムとして作りたい。要は60分の映画を作りたいというのがあります。脚本があって、映像もあって、それに僕らの曲がちゃんとあるというアプローチを最終的にやってみたい。そこまでの過程はいろいろあると思うんですけれど。
成井: sgt.の他でもいろいろ活動しているんですけれど、他のバンドやプロジェクトで得た経験や勉強したことを、いつもsgt.に反映できたらいいなと思っていて。もう少し先の自分が、どうsgt.に向き合っているかがすごい楽しみなんです。常に前に進めてるのかなと思ったり。
── 今回ゲストで参加された方もそうなんですが、sgt.や旅団を中心に多くのバンドやプロジェクトが有機的に関わりあっていらっしゃいますが、一緒にシーンを作っていこうという感覚はあったりするんでしょうか?
明石:僕は、僕がいまやれないこと、やりたかったけれどできなかったことをしているバンドが共感できるんです。旅団では元ベースでしたけれど、彼らにもすごい思いますし、メンバーが混ざってやったりする人たち以外でも、歌ものだとwooderd chiarieとか。向こうもそういう風に思ってくれたりするのかなと。
成井:sgt.じゃできないアッパーなことは他のバンドでやったり。
明石:そういうお互いに尊敬できる関係でいるんじゃないかと思います。それはすごい刺激にはあります。
成井:iLLもそうですし、外の空気を感じて、sgt.にどう活かせるか、そこからまたsgt.が成長してくれたらうれしい。
明石:sgt.で得たものも外に持っていってるでしょ。特に勝井(祐二)さんのものはsgt.に注入されているっていうのは解りますね。
(インタビュー・文:駒井憲嗣 撮影:Koji Aramaki 撮影協力:cafe & bar comp.)
sgt. プロフィール
明石 興司(ベース)、成井 幹子(バイオリン)、大野均(ドラム)、田岡浩典(ギター)からなる4人組。1999年結成。2003年より現在のメンバー編成にて活動。映画音楽的な手法にロック、ジャズ、ノイズ、エモ、即興といったサウンドが融合したマルチ・インストゥルメンタルバンド。2005年11月に1st mini album『perception of causality』でデビュー。翌年11月にgood music !とのSplit CD「sggmt!!」を発売。これまでにオリジナル、ライブ盤、DVD、オムニバスも含め8作品を製作/参加。主にライブを活動の主軸に置くスタイルで、ジャーマン・プログレの“CAN”のボーカリストDamo Suzukiと共演(60分の即興ライブセッション)や、山本精一(ROVO)を中心に千住宗臣(ボアダムス,ウリチパン郡)やEXPEも参加する PARA、中村達也×勝井祐二とも共演。また、The World Heritage(勝井祐二, 鬼怒無月, ナスノミツル,吉田達也)、芳垣安洋(ROVO、ONJQ)率いるVincent Atmicusや、54-71、twin electric violins band(勝井祐二,定村史朗,芳垣安洋,益子樹)とのツーマンライブも開催。近年はOTONOTANI、アラバキロックフェスに出演や、rega、 nhhmbase、Saxon Shore(us)等のツアーサポートも務める。 2008年9月には約3年振りとなるオリジナル作品を初のフルアルバムとしてリリース。また作品の全てのアートワークを新進気鋭のクリエイター迫田悠が手掛け、楽曲とリンクしたコンセプチアルな内容となり話題に。作品自体も海外で高い評価を受ける。現在はサポートだったギターの田岡が正式メンバーとなり4 人編成に戻り精力的に活動中。またメンバーの成井幹子は、大友良英率いるONJOのライブでストリングスへの参加や、木村カエラ、iLL(ex.SUPERCAR)のバックバンド参加などの経歴がある。ソロとしても勝井祐二とのデュオや、坂本弘道や巻上公一などと共演。
ライヴ情報
2009年11月3日(火・祝)名古屋CLUB ROCK'N'ROLL
『sgt.[capital of gravity] RELEASE TOUR!!』
共演:mothball / Egoistic4Leaves / and more
2009年11月8日(日)大阪鰻谷SUNSUI
『sgt.[capital of gravity] RELEASE TOUR!!』
共演:middle9 / dry river string
2009年11月23日(月)仙台ZEPP
『渡邊琢磨Presents LIVE IN THEATER』
LIVE:COMBOPIANO / 石橋英子 / 相対性理論 / sgt.
DJ:菊地成孔
MOVIE:『パンドラの匣』
2009年11月25(水)下北沢ERA
『sgt.[capital of gravity] RELEASE TOUR!!ワンマン』
LIVE:sgt.
Guest Piano:中村圭作 Sax:大谷能生
VJ:mitchel(nego)
DJ:Tyme.(MAS)
sgt『Capital of gravity』
発売中
PEMY-005(penguin:14)
1,980円(税込)
PENGUIN MARKET
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