はや11月だというのに、暖かい日が続いているようですね。
さて、こちらでもお知らせしていたとおり、
先月末、ノルウェーの由緒ある港町、Bergenで行われたノイズ・フェスティバル、
BERGEN STOYFEST(ベルゲン・ステイフェスト。Oは斜線の入ったノルウェー語アルファベット)に参加してきました。
Bergen、もといノルウェーをliveをするために訪れたのは実に13年ぶりかと思うのですが、
あちらもこちらに劣らぬあったかさで、
時にコートの前を開けて歩いていても平気なくらいでした。
会場となったのは、町中のアートホールの一室、LANDMARK。
主催は、日本にもほぼ毎年のように来て公演している、
ミュージシャンであり、フリーユニットJazkamerの一員でもあるLasse Marhaug。
日本からは、私Reiko.Aのほか、Hair Stylistics(中原昌也)、ASTRO(長谷川洋)が参加しての、以下のようなラインナップとなりました。
<BERGEN STOYFEST>(2011)
10月27日(木)
Jazkamer(ノルウェー)
Hair Stylistics(日本)
Anla Courtis(アルゼンチン)
10月28日(金)
Jazkamer Metal(ノルウェー)
Reiko.A(日本)
Robert Piotrowicz×Lasse Marhaug(ポーランド×ノルウェー)
Black Packers(フランス×ノルウェー)
10月29日(土)
Jazkamer Big Picture(全員参加)
ASTRO(日本)
Anders Hana(ノルウェー)
Ambolthue(ノルウェー)
以下、見た順による私の短評ってか感想。
27日
Anla Courtis
Anlaも日本にはよく来ているんだけど、
まともに見た(聞いた)のはこれが初めてだったような。
現地で調達したハンガーラックやベルを使っての演奏。
なんとなくしみじみ。
Hair Stylistics
演奏を見たのは1年ぶりぐらいだったかも。
ヴォイスをサンプリングして使っていたので、
てっきり中原君の声かと思っていたら違うんだとか。
なんで、自分の声じゃないのか、
というより、自分の声にこだわる私のほうがおかしいか。
Jazkamer
オリジナルメンバーのLasseとJohn Egreのほか、
今回はドラマーが加わっての3人編成。
Lasseははだしで演奏してた。
音よりも、その演奏態度のほうが印象に残った
(ノイズ系ではだしになる人少ないんで)。
28日
Black Packers
JazkamerのJohnと、
現在ブラッセル在住のフランス人アーティスト、Jean-Philippe Grossとによる、
ギターとエレクトロニクスのデュオ。
最後、Johnのハウリング演奏が延々続いて、うっかりうたた寝しかけた……。
Robert Piotrowicz×Lasse Marhaug
2人のエレクトロニクス演奏による知的サウンド。
ちなみに、Robertはこの後、Exploratory Music From Poland(empf)という、
ポーランドのエレクトロニック・エクスペリメンタルミュージックのプロジェクトで来日する予定だと言っていて、
明日の3日は、どうやらSuper Deluxeに出演するもようです。
Reiko.A
(ヴォイス&ダンスパフォーマンスだったのに、衣装を持って日本を出るのを忘れたダメな人…)
Jazkamer Metal
メタルだった…ほんとうにメタルだった。
これは、Lasseによるメタルをやるというコンセプトのバンドなんだそうだ。
だから、曲を作っているのはLasseとのことで、
メンバーを募集して作ったプロジェクトだとのこと。
29日
Ambolthue
弱冠23、4歳のOslo在住ノイジシャン。
コンパクトエフェクターを並べた床にうずくまってわめき続ける姿は、
生粋のノイズマニアを証明するもの。
ゲロゲリゲゲゲや暴力温泉芸者のカセットを集めてるんだそうです。
Anders Hana
こちらもOslo在住のギタリスト。
ステージの下で(端っこに立って)叙情的演奏を披露。
ASTRO
日本的爆音単独演奏。好香翁。
Jazkamer Big Picture
これがこのフェス最終日の最後のユニットで、
本来はフェスに参加した人たち全員が参加するものだったんだけど、
私は翌朝の飛行機が異様に早かったので
(3時50分にホテルを出なければならなかった。これって朝って言う?)
出演するどころか、見もせずに1人で先にホテルに帰ってきてしまいました。
なのでどうなったのかよくわからない…
けど、ドラムセットが三つも用意してあったから、
相当混沌としたものになったであろうことは間違いないだろう。
このノイズ・フェスは、Lasseが2006年からほぼ毎年開催しているものだそうで、
開催地はBergenだったり、Osloだったり、特に決まってないそうです。
今年は2回開催することになり
すでにOsloでも半年ほど前に1日だけ行ったとのことでした。
以前彼に聞いた話では、
ノルウェーの主流のミュージックシーンはジャズばっかりで、
まるで窒息しそうなその環境から抜け出そうと、
自らのユニットに皮肉をこめてJazkamer(ジャズ室、という意味。ガス室みたいな意味で)という名前をつけ、
ノイズというくくり方をするのが妥当かどうかはともかく、
型に捕らわれない演奏活動を始めたということでした。
つまり、ノルウェー国内でこういったフェスを主催して、
内外のアーティストを紹介することも、
彼のそういった活動の一環になるわけなのでしょう。
ほかにも彼は、<ALL EARS>というタイトルのインプロを集めたフェスも毎年企画し
ているそうで、
そういうわけでは、自分の生まれた国に単純に背を向けるわけでもなく、
与えられた環境の中で、どうやって立つのかも自ら示しているのでしょうね。
ノルウェーはliveでもなければ行く気になりそうもないところですが
(寒いの苦手だから。今回は異常気象? で幸いだった)、
二度の訪問を経て、なんだかまたいずれ帰ってみたくなりました。
写真は町中に貼ってあった、今年のSTOYFESTのポスター。
写っているのは、JazkamerのJohnのほうです。