2008-04-08

 映画「靖国」、観たい! このエントリーを含むはてなブックマーク 

李監督が、10年にわたって追いかけた、「靖国」。

一旦、上映予定が各地で見合わせられてしまったけれど、
上映機会がどんどん増えていくことを希望します。

 *

李監督の作品は、
東京四谷で山東料理の味を現在に伝える日本人夫妻を描いた作品、
「味」をかつて見ました。

中国でももはや途絶えてしまった伝統的山東料理、
砂糖、化学調味料、ラードは一切使わないという、佐藤孟江さんの料理。

孟江さんは「正宗魯菜伝人」と中国政府から表され、
中国の料理学校の教授として日中を行き来するものの、
そこには伝統的山東料理を伝える苦難がありました。

時代とあわせて「適当」に教育を考える学校側と一線を画し、
料理は命の糧と、確固たる信念を貫こうとする孟江さん。

李監督の眼差しは、丹念で、
人を、時代を、社会を写し撮りながらも、観る側へ委ねる余白をしっかり残す、
秀逸な作品だったと思います。

孟江さんが中国語で覚え今も口ずさむ、劇中挿入歌は、
ココロにいまでも残っています。

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〝 いつの日に君また帰る 〟

  きれいな花の盛りは短く
  青春は夢のように過ぎ去る

  苦しくても笑顔を見せて
  心を涙で染める

  今夜別れた後
  あなたはいつ帰ってくるのでしょう

  さあ 杯を飲み干して
  さあ 料理を食べて
  人生で何度心から酔えるのでしょう
  さあ楽しみましょう

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アルゴ・ピクチャーズ、ナインエンターテイメントはじめ、
劇場関係者の皆様、広く上映されていくよう、ココロから応援しています!

 *

○李纓(リ・イン)監督インタビュー
( CINRA.NET 2008/03/26 )
http://www.cinra.net/interview/2008/03/26/155840.php

○稲田朋美議員、日本外国特派員協会での会見記事
:「映画『靖国』の試写は事前検閲ではない」稲田朋美議員の訴え
 ひらのゆきこ 2008/03/29 Jan Jan NEWS
http://www.news.janjan.jp/government/0803/0803283785/1.php

○稲田朋美議員 サイト
http://www.inada-tomomi.com/

○映画「靖国」10数館が上映へ 新たに希望する所も
西日本新聞 (2008/04/04)
http://qnet.nishinippon.co.jp/entertainment/showbiz/20080404/20080404_0003.shtml

○SPO、シネマートでの映画『靖国』上映中止で声明
CINEMA TOPICS ONLINE (2008/04/04 16:10)
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=6928

○映画『靖国』東京、大阪の映画館、計5館上映中止を決定
Web DICE 骰子の眼 2008/04/01 13:02
http://www.webdice.jp/dice/tb/ec08fe145f2ac922f77015642d39701f/
 *

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●稲田議員の見解について
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上記ひらのゆきこさんが伝えるJAN JANのニュース記事によると、
稲田議員は、日本芸術文化振興会からこの映画に対し助成があったことについて、
「妥当ではなかったと考えている」と、以下2つの理由をあげているそうだ。

   -*- -*-

1.日本映画であるか否か
映画を作った会社は中国中央テレビの日本での総代理として設立された会社であり、共同制作会社の2社も中国の会社で、製作総指揮者、監督、プロデューサーすべてが外国人であることから、日本映画であると言い切ることに大きな疑問を持っている。

2.政治的宣伝意図の有無について疑問
理由として、「靖国神社自体がきわめて政治的な問題を持っているから」。
首相の靖国参拝は国内問題であると(自分は)考えているが、外交問題化し、裁判となっていることも事実であり、この映画について「ある一定のメッセージ性を強く感じる」としたうえで、クローズアップされているのは小泉首相の靖国参拝を訴えた原告の主張。

   -*- -*-

これが助成が不適当である理由に果たしてなるのかどうかについてであるけれど、

内容を観ていない私でも明らかに判断できる1番目にあげられた理由については、
少なくとも、平成20年度の募集要項を見る限り、付記されている、

「日本映画とは,日本国民,日本に永住を許可された者又は日本の法令により設立され
た法人により製作された映画とします。ただし,外国の製作者との共同製作の映画につい
ては,独立行政法人日本芸術文化振興会(以下「振興会」という。)が著作権の帰属等に
ついて総合的に検討して,日本映画として認めたものとします。」
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin/boshuu/old/20-bannai/02/02all.pdf 
(5ページ記載)

という文言に適ったと財団が判断したからこそ、助成されたわけで、と、単純に思いますが、稲田議員は、助成の正当性を判断する前に、助成の応募概要に照らして精査した上での判断表明なのだろうか。甚だ疑問。

4月3日、ニュースで観た稲田朋美議員の映像。
「映画を公開前に、助成金の支払いが妥当であるかどうかを確認するために映画を観るという行為が、表現の自由をおびやかすとはまるで思いませんでした」。

思わず首をひねるほど、無邪気な様子で、ただただ、私にとっては不可思議に思えたのは紛れもない事実。このことについて、映画を観たいと、意思表示しなくては、と、その稲田議員の様子に後押しされて思った。

話がずれてしまうから、ここでは詳しくは述べないけれど、
だいたい、国内問題から目をそらすためにつかわれがちな「反日」問題って、
「よく知る」ことからしか問題解決されないと思う。

「無かったこと」には出来ないわけで。

そして、日本として省みることが消え去ることはないのは無論。

コメント(3)


  • Maru 2008-04-27 22:38

    福田和也氏と坪内祐三氏、このヒト天才!なライターさんによるSPA!連載、“痛快連載対談”文壇アウトローズのファンなのだけれど、先週号は「事実誤認のトンデモ映画だからこそ『靖国』を上映してほしい」という文字が踊っていたとか。読んでみたい!

  • Maru 2008-04-30 18:33

    両氏の対談について。上記の該当記事はまだ読んでいないけれど。
    「酔っ払った上での言葉だとしても」について、ごもっとも。

    ●長野峻也さんブログより
    映画『靖国』問題の続き
    http://yusin6.blog77.fc2.com/blog-entry-374.html

  • Maru 2008-05-07 13:42

    超映画批評、前田さんの評と熱い抗議

    http://movie.maeda-y.com/movie/01102.htm

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