2010-05-13

『ビルマVJ 消された革命』クロスレビュー このエントリーを含むはてなブックマーク 

 2007年、ビルマで起きた反政府デモに、僧侶も混じっているとのニュースを聞いて、「今度こそ革命が成功するかもしれない」と私は密かに期待していた。しかし、反政府デモは軍事政権に鎮圧されてしまった。そして、以前はニュース映像でもよく見かけたが、最近は情報が途絶えがちな自宅軟禁状態のアウンサンスーチー氏のことを思った。

 そのような中、映画の紹介のポスターの中に久しぶりに彼女の写真を見かけ、映画『ビルマVJ 消された革命』が公開されることを知った。そして、この映画を見ることで、革命を起こせるだけの条件が揃っているかのように見えた今回の事件についてさらに詳細を知ることができるのではと祈った。

 この映画では、あの“消された革命”がどのような発端で起こり、どのように運動が拡大し、さらにどのような終息してしまったのか、生々しい映像の数々から読み取れる。ナレーションが入ったニュース映像とは異なり、危険と隣り合わせのビデオジャーナリスト(VJ)が命をかけて撮影した映像にはそれだけで十分なほどの説得力があった。

 その一方で、やはりなぜ革命が失敗に終わってしまったのかというむなしさは心から消えていない。「次こそは成功を」と心から願うしかできない自分が情けない。でも、まずは世界中がこの国で起きていることを知り続けることが大切だと言える。「知らない」ということは権力者にとってはとても都合のよいことだから……。

キーワード:

ビルマVJ / 消された革命 / 映画


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whenimetmuse

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“記者 兼 某通信大学で哲学を学習中”


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