観た。
今月から公開する【未来を写した子どもたち】というドキュメント映画。
インドの売春窟に住むたくさんの子どもたちが、ニューヨークの女性写真家からインスタントカメラをもらい、毎週一回写真教室に参加する。将来の夢を持つことさえ許されない町に生きる彼らが、写真によって少しの希望、そして自由を見つけるという映画。
実は第77回のアカデミー最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しているのだが、日本で公開されるのは今回が初らしい。
感想は、一言。
いや、もう本当に凄い映画だった。
まず子どもたちのその写真の素晴らしさ。。。僕らの常識では考えられないほど苦しい生活を強いられている子たちが、その小さな自由を思いっきりファインダーに収めていて、一枚一枚胸がすくような力と説得力みたいなものを持って、映画の中で登場する。
そして彼らを学校に入れさせようと奮闘する大人、それを拒絶せざるおえない一人一人の子どもたちが持つ家庭環境、見るに耐えないほどの階級格差社会を、そのままざっくりと映し出す映像にただただ見入るばかり、、、しかも、変に強迫的に訴えかけられるわけではなく、むしろびっくりするくらい淡々と映し出してる。この空気感がまた素晴らしい。
「自分たちの環境と照らし合わせて戒めなくては」などと説教的に考えるより先に、とにかくこの子たちがこれからもカメラを持って笑っていられるような未来であってほしいと、心から願いたくなる映画。
ちょっと高いけど、彼らの写真集[Kids with Cameras](この映画の元なる活動 http://www.kids-with-cameras.org/home/ )を買ってみようと思う。たぶんまっさらで泣きそうなほど素直な視点で撮られた写真を見るたびに、なにか自分の「モノをつくる」という感覚を何度も再確認させてくれそうな気がする。作品って、本来そういうものだよなぁとつくづく思った映画だった。
ちなみに、今月22日から全国順次ロードショーです。
【未来を写した子どもたち】予告編