2017-10-21

イラク北部クルド自治区で開催されたスレイマニヤ国際映画祭にドキュメンタリー部門の審査員として参加して来ました。その5 このエントリーを含むはてなブックマーク 

写真は、10月5日(木)に行ったセミナーの様子。左側は司会と英語とクルド語の通訳をして下さったイギリス在住のクルド人監督Alan Aminさん。映画祭で上映されたドキュメンタリー『Finding My Legs』の監督でもあります。綿井健陽さん撮影。

10月4日(水)
前日にジャラル・タラバニ前イラク大統領が亡くなったので映画祭も自粛モード。しかし上映は中止とはならず、この日は、長編フィクション3本、ドキュメンタリー1本、クルドの短編6本をたんたんと観ました。

10月5日(木)
午前中にドキュメンタリーについて90分のセミナーを行い、そのセミナーの中で拙作『ぽんぽこマウンテン』を上映して観て頂きました。ざっと数えたところ60人以上が参加して下さいました。セミナーの前半は自作を例にあげてコンセプチャルなドキュメンタリーの表現について、後半は中東諸国からも応募できる日本、韓国、台湾など東アジアのドキュメンタリー映画祭や企画マーケットなどについて話しました。

夜はマイクロバスに分乗して映画祭の参加者100人程で、2日目前に亡くなったジャラル・タラバニ前イラク大統領の邸宅を訪問して通夜に参加しました。クルド民族の政治指導者でクルド人として初めてイラクの大統領になったタラバニ氏の邸宅は、スレイマニヤから車で20分程の郊外の小高い丘の上にありました。この日、綿井健陽さんは午後からイランとの国境まで一人旅に出かけていましたので、私はタラバニ前大統領の通夜に参加した唯一の日本人となりました。

10月6日(金)
クルド自治区の在エルビル日本領事事務所の森安克美さんが映画祭を表敬訪問。綿井健陽さんと私の3人で昼食を食べながらバクダット経由での出国について情報共有。

夜はシネコン「CITY CINEMA」で夜食後、3日前にシンポジウムが開催されたアートハウス映画館「CINEMA SALIM」に移動して、21時からトルコのクルド映画Kazim Oz監督『Zar』の特別上映を鑑賞。
https://www.youtube.com/watch?v=O1iMpoaxlgM

10月7日(土)
現地に滞在した最後の日。この日は午前を除き映画の上映はなかったので、午後から映画祭のゲスト10名程でスレイマニヤ博物館(国立博物館AMNA SURAKA)の見学に行きました。
https://mainichi.jp/articles/20171006/ddm/007/030/064000c
http://www.amnasuraka.org/

この日の夜には映画祭のクロージングと表彰式がありましたが、私は当初から山形国際ドキュメンタリー映画祭に行く予定をしていましたので、欠席させて頂き、夕刻に帰国の途につきました。スレイマニヤ国際空港の国際便の発着は中止されていましたので、国内便のイラク航空でバクダット空港へと向かい、バクダットからカタール航空でドーハを経由して成田へと向かいました。

クルドの大手メディア「ルダウ」で紹介されました。
http://www.rudaw.net/english/culture/03102017

【吉田孝行プロフィール】
1972年北海道生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。映画美学校で映画制作を学ぶ。東京フィルメックス2014でアジアの映画人材育成事業「タレンツ・トーキョー」のコーディネーターを務める。ドキュメンタリー専門誌「neoneo」の編集に携わる。共著に『クリス・マルケル―遊動と闘争のシネアスト』『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』など。近作『ぽんぽこマウンテン』(2016)が、デトモルト国際短編映画祭、ジョグジャ・ネットパック・アジア映画祭、サラミンダナオ・アジア映画祭など、18か国の映画祭や展覧会に選出されている。新作『タッチストーン』(2017)が2017年12月に海外の映画祭でワールドプレミアを予定。

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【関連記事1】http://www.cinematoday.jp/page/A0005386
【関連記事2】https://jp.sputniknews.com/opinion/201611042976112/

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吉田孝行

ゲストブロガー

吉田孝行

“映像作家。これまで世界30か国以上の映画祭や展覧会で作品を発表している。近作に『タッチストーン』『エイジ・オブ・ブライト』『ある日のアルテ』『ある日のモエレ』など。共著に『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』など。”


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