スカーレット・ヨハンソンのアルバムを目黒駅のHMV(いつもお世話になってます...なーんて、一回もご挨拶できたことがありませんがww)にてワクワクで買ってみた。TV On The Radioのメンバーがプロデュースしてるということやデヴィット・ボウイが参加してたりと、絶対いいだろうなーとか思いつつ。
でも、個人的にはもう一つ気になるトピックが。それは今回の彼女のアルバムのほとんどが、なんとトム・ウェイツのカヴァであること。もちろんトム・ウェイツは大好き、昔のも、最近の独創的な音源も。でもそれだけではなく、僕の中でトム・ウェイツのカヴァで作られたアルバムというと思い浮かぶ「個人的名盤」があって、それがこのHolly Coleの[Temptation]というアルバムなんです。
これを買ったのは、、、スイマセン、忘れましたが20前半くらい。そのころ名前も「コーリング・ユー」ももちろん知っていましたが、でも当時ビックネームの音源に対して斜に構えていた(今でもどうかと言われるとはなはだ疑問ですが...)僕は、その時そんなに騒がれてないアルバムを買って聴くことで、自分のプライドを維持していたりして(苦笑。で、このアルバムはそんなに騒がれていなかったし、ぶっちゃけあまりレコメンドされてたような感じでもなかったんですね、、ただその輸入版のジャケのちょっと不穏な顔をした本人を観て、あ、これ買おうって思いまして。
で、聴いてみたら、これまた何とも言えない不穏な空気が音全体に漂っていて、一発で虜になったワケです。いや、「The Heart Of Saturday Night」や「I Want You」みたいな直球でピースフルなモノもあるんですが、それ以上にとにかくイビツな音なんだけど、ビックリするくらい空気感がたっぷりなバンドアンサンブル。そしてそのクールネスな演奏と相反してエモーショナル熱量を持っている音塊が、何回聴いても飽きさせない不思議な魅力を持っていました。特に「Cinny's Waltz」、「Frank's Theme」、「Good Old World」、そして「The Briar And The Rose」辺りは、今聴いても新鮮。とにかくビョークやレディオヘッドで受けるような、先進性と普遍性との合間を縫ってゆくような流れを感じます。もちろん本来のトム・ウェイツの音源からは遠く離れてしまっているものや、オリジナルに似通い過ぎているものもあるかもしれませんが、それを差し引いても確実に今に響く音をしている気がします。うん、そう考えるとかなりLow寄りなMixで今っぽい。そもそも僕がHolly Coleで持ってる音源はコレだけなんで、Holly Coleというヒトの音源の評価さえ到底つけられるとも思ってませんが。
で、最近またよく聴くようになって、、、うーん、やっぱいいんですよー。前に友達のお店のために、MixCDを作ったっていう日記を書きましたが(http://www.webdice.jp/diary/detail/913/ )、その時に「The Briar And The Rose」を引っ張りだしてきて以来、またちょくちょく聴いていたりして、実はさっきまで仕事しながら聴いて、、、って。
そう、肝心のスカーレットはまだ封も開けてない始末(苦笑。こうやって朝は明けていくんですよねー。
以下は、このアルバムに入っている音源のライヴ。聴いてもらいたい曲は無かったけど、このちょっと不可思議な演奏を観ると、その空気感が少しわかっていただけるかも?
「Train Song」 Holly Cole
「Little Boy Blue」 Holly Cole