朝のニュースショー見ながらシリアルを食べながらネコかまいながら朝日新聞衛星版を手にして、いつもはまったく読まないテレビ番組欄にふと目をやったら見覚えのある女の子の写真が出ていた。窓際に座って普段着でお琴を弾いている。
BBCで、「3.11」一周年を前に連続放送されていた一連のドキュメンタリーの一つ、『Children of the Tsunami(津波の子どもたち)』に出ていた女の子だ。彼女の家には津波の被害はなかったが、福島第一原発の爆発によって退避を余儀なくされ、家族と暮らす仮住まいの窓から赤い警戒灯が見えると話していた。
このとき、放送された『Inside the Meltdown(メルトダウンの内幕)』については3月にこのブログに書いた。
2012-03-04
BBCの「メルトダウンの内幕」は必見!
http://www.webdice.jp/diary/detail/6993/
BS1では今週「外国メディアが伝えた東日本大震災」というタイトルでドキュメンタリーを連続放映しており、そのラインナップに『メルトダウンの内幕』と『津波の子どもたち』が並んでいる。タイトルはそれぞれ『インサイド フクシマ』『子どもたちが語る”あの日”』になっていて、前者は月曜深夜に放送済み。たぶん再放送があるだろうけど、こんな秀作を深夜枠にしか放送できない事実に、NHKの「(原発に対する)方針」のようなものが透けて見える気がする。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/yotei/index.html?week=20120514
本日(2012年5月16日)付け朝日新聞衛星版のテレビ番組欄「試写室」の記事をタイプしておく。
子どもたちが語る”あの日”
外国メディアが東日本大震災を題材に制作したドキュメンタリーを放送するシリーズ。今夜は英国のプロダクションがつくった被災地の子どもたちへのインタビュー集だ。
原発の近くに住んでいた少女は、着ていた服を避難先で「ぜーんぶ捨てられた」。大事な服だったのに。警戒区域から避難した少女は境界線のすぐ近くで暮らす。夜、寝室から「(警戒車両の)赤いのが光っているのを見て、帰りたいなぁーと思ったりする」。
小さな体で大災害を受け止めた子どもたちが、飾らない言葉でそれぞれの3.11を紡ぎ出す。受け売りではない唯一無二の思いばかりだ。日本製のドキュメンタリーとは趣がだいぶ異なる映像と演出にも目を奪われるはず。(田玉恵美)
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BBCでの放送直後にYou-tubeに全編(約60分)が上がっていて、最初にみたときは30人ぐらいのカウントだったのが数週間のうちにみるみるふくれあがっていった(いまは見られなくなっている)。
Children of the Tsunami プロダクションの予告
BBCでの放送時としばらくあとでと2回見た。いい作品だと思う。
とりあえずいまは告知だけアップする。あとで何を考えたか書き足すつもりなので、BS1で見た後で(あるいは明日以降にでも)また来てください。では。
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で、5月17日深夜のいまである。日本は18日の午前中。
朝日の記者も書いている「日本製のドキュメンタリーとは趣がだいぶ異なる映像と演出」について書こうと思っていたんだけど、今日はけっこうへばったのでもう寝ます。
BBCで放送した『津波の子どもたち』がyoutubeにまたゲリラアップされてるのでお知らせ。放映後すぐにアップされていたものはもう見られなくなってますから、これもそれほど長くは見られないかも。未見のかたはお早めに。
「被写体に語らせる」イギリスのドキュメンタリーの手本のような作品なので、英語の聞き取りが苦手でも困らないと思います。インタビューは全部日本語に英語字幕、ナレーションもゆっくりで聞きやすいですから聞き取りを放棄せずに理解しようとしてみてください。(後述> な〜んて書いたんですが日本語字幕がついてました。)
子どもたちにここまで語らせるにはいったいどれほどの時間と手間をかけただろう。制作者たちが子どもたち一人ひとりに敬意をもって向かい合い、信頼関係があってこそのものだろうと想像します。聡明で美しい子どもたちを見て「子どもは未来のかたまり」なんだと改めて心を強くするとともに、行方不明の子どもたちを捜し続ける親たちが失ったものの大きさにめまいがする。