『セヴァンの地球のなおし方』のジャン=ポール・ジョー監督にインタビューさせていただきました。
ホテルの一室で行われたインタビュー。ジョー監督の頭には「原発絶対反対」のハチマキがまかれていました。「祝島の原発反対デモで使われているハチマキですよね」と聞いてみたら、「そうです」とのこと。ジョー監督、次回作のために、祝島と福島に訪問されたそうです。
私も5月に祝島に行った際、30年ちかく毎週欠かさず行われている上関原発建設に反対するデモを見てきました。島民の方の頭には、同じハチマキがありました。
小さな島で行うデモは、誰かにアピールするためのデモというより、島民自身が気持ちを固めるに行われているもの。
ですから、ジョー監督のように、最新作が近日中に公開になり、またフランス映画祭というメディアの注目が集まる場で、あえて祝島のハチマキを身に着けて登場する(取材をうける)というのは、なかなか外部への発信機会がない(ただでさえ、原発に批判的な報道はトーンダウンしてしまう現状において)、祝島の島民への多大なる支援であり、共感であり、連帯であると感じました。
インタビューでは映画についてお聞きしましたが、ジョー監督が日本に来ることがあれば、絶対に広島に行きたいと考えていたことや、2008年に広島訪問が実現したことなどもお聞きできました。
あっという間に取材終了時間になりましたが、私の心には、ジョー監督の暖かい印象が残りました。
いろいろとネット情報を見ていたら、you tube に東京で行われたフランス映画祭の動画があることを知りました。
何人かの映画監督が挨拶で、自分の映画のことはさておき、福島のことについて思いを語っています。ジョー監督は5分くらいのところで登場。祝島のハチマキを取り出します。
動画では、ジョー監督の右隣にいるオタール・イオセリアーニ監督が、「原発絶対反対」のハチマキが気になるのか、手を伸ばして触ろうとしていますね。後に、イオセリアーニ監督も、ハチマキを頭にまいたそうです。写真が、webdiceのサイトにありますね。
http://www.webdice.jp/dice/detail/3116/
webdiceの写真説明には、
「ジョー監督の持参した原発反対の鉢巻きを「私も原発反対だ、貸してくれ」とオタール・イオセリアーニ監督」とあります。
翌日、アップリンクの浅井代表のツイートを見て驚きました。
http://twitter.com/#!/asaitakashi/status/84282000969711616
ジョー監督の原発反対のハチマキ姿にビビったあるラジオ局が、監督のラジオ出演を自主規制し、キャンセルしてきたのだそうです。
ラジオだからハチマキ姿は伝わりませんが、生放送だけに、何を言い出すかわからないという不安があったのでしょうか。いまだに、原発を批判するようなコメントがタブー視されているなんて、原発推進派・反対派の両方にとって、マイナスじゃないでしょうか。
なお、これも浅井代表のツイートが情報源ですが、
http://twitter.com/#!/asaitakashi/status/83922323530461186
私がインタビューをした日はずっと、ハチマキをして他社の取材に応じていたそうです。しかし、一社だけ、ハチマキを外した写真撮影を希望するところがあったとのこと。そのリクエストに監督は「ノー」。衛星放送の雑誌からの要求だったそうです。