2010-11-26

DE LA FANTASIA 2010 このエントリーを含むはてなブックマーク 

「DE LA FANTASIA 2010」を終えて、イノウエタイシンさんのおうちへ。
タイシン家の書架がおもしろくて、くるくる見回してしまう。ドゥルーズ=ガタリまである。ワインを頂きつつ、猥談を交えつつ、深更に至る。
音楽をたくさん聴かせてもらったけれど、音をテクスチャーとして捉える人たちの仕事はとても刺激的だ。ぼく自身は、音を注意深く編んで音楽造形を図る化石的に古い人間だから、彼のように音の手触りを感じ取って、そこから何かを想起する人たちの感覚には深い敬意を感じてしまう。 彼らと共同作業をすることによって、からからにコンストラクトされた古い建物に、色とりどりの光が当たって、豊かな陰影が生まれたらいいな。

光と言えば、DE LA FANTASIAのトップバッターを飾った高木正勝さんのステージは素晴らしかった。映像作品を背景にピアノを弾くだけのステージなのだけど、凡百のムード音楽とは明らかに一線を画すパフォーマンス。最近の映像作家の作品には強い忌避感を持ってしまうのだけど、彼の映像はとても気に入っている。
なによりピアノを肯定も否定もしていないような演奏が素晴らしくて、それこそはたを織るような演奏、世界は本当にテクスチャとエッジのみで出来ているんだと思わせるようなリアリティを肌身で感じました。こういうのこそ"オリジナル"と呼ぶのだと思う。
高木正勝さんにクローズアップしてしまったけど、DE LA FANTASIA 2010の面々は本当に素晴らしかったです。ありがとう!

須山真怜
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“さて、語ることばは必ず応答を求めるものである―ジャック・ラカン”


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