骰子の眼

art

東京都 港区

2010-03-02 17:57


国内外で注目の若手作家の作品を集めた「アーティスト・ファイル2010」に10組20名様ご招待!

明日=3月3日(水)から5月5日(水・祝)まで、7名の作家による展示が国立新美術館で開催される。
国内外で注目の若手作家の作品を集めた「アーティスト・ファイル2010」に10組20名様ご招待!
アーノウト・ミック《タッチ、ライズ・アンド・フォール》2007年 2面スクリーンによるビデオ・インスタレーション Courtesy carlier | gebauer, Berlin

「アーティスト・ファイル」は、国立新美術館が、国内外でいま最も注目すべき活動を展開している作家たちを選抜し紹介する展覧会シリーズだ。第3回となる今年は、福田尚代、石田尚志、桑久保徹、アーノウト・ミック、南野馨、O JUN、斎藤ちさとの7名の作家を取り上げる。30歳代から50歳代まで幅広い世代の作家たちの、絵画、映像、立体などによる、さまざまな表現、さまざまなテーマが会場に展開する。そのような多様性や複雑さから、時代のリアリティというべきものを浮かび上がらせることを目的としている。

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福田尚代《夏への扉》2003年 本に刺繍 作家蔵撮影:飯田博之

福田尚代は、言葉や文字と、自身、あるいは世界とのつながりのあり方に意識を向けながら、回文(文頭・文末のどちらから読んでも同じ音になる文章)の詩作と、本や文房具を素材とした作品によって独自の表現世界を紡いでいる作家で、今回の展示では大学院終了制作である細かな「蓮」の字を書き連ねた平面作品《不忍 蜘蛛の糸》から、書物を用いた一連の作品、回文の印字、そして名刺や葉書を素材にした新作にいたるまで言葉にまつわる作品を一堂に集め、ひとつのインスタレーションとして構成する。

石田尚志は、線描によって抽象絵画が描かれていく過程を一筆進めるごとにコマ撮りし、記録した映像を制作している。ひと続きに上映すると、線が人の手を介さず、あたかもそれ自体が生命を得て動き回り、画面を埋め尽つくしていくかのように見える。今回の展示では、3面スクリーンによる映像作品や、巻物状の絵画とその生成映像を組み合わせたインスタレーションなどを紹介する。

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石田尚志《海の壁―生成する庭》2007年 3面スクリーンによるビデオ・インスタレーション 豊田市美術館での展示風景(2009年)

海岸のあちこちに本が積み上げてあったり、人々が横たわっていたりする、不可思議で幻想的なイメージが特徴の桑久保徹の作品。それは、桑久保本人の心象風景であると同時に、人と人との関係が希薄化した現代の荒涼とした時代感を表現しているかのようだ。今回の展示では、北方ヨーロッパの巨匠たち(ゴッホ、ムンク、アンソールなど)の作品を想起させる筆遣いや、色使いを引用することでさらに強調され深みを帯びる独特の世界を想起させる作品9点と、壷をモチーフにした新作10点を紹介する。

オランダの作家アーノウト・ミックは、彫刻から出発し写真やインスタレーションも手がける中で、映像を組み合わせる手法を見出した。一見明確なストーリーが展開しているようにも見えるが、出来事が反復したり、意味のない行為がなされたりしているビデオ作品を複数のスクリーンに投影するインスタレーションは、見る者の視覚だけでなく、身体感覚をもダイレクトに刺激。今回の展示では、2点の映像作品、《浸透と過剰》(2005)と、《タッチ、ライズ・アンド・フォール》(2007)を組み合わせたインスタレーションを展開する。

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桑久保徹《光の毒》2009年 油彩/カンヴァス (c)KUWAKUBO Toru Courtesy Tomio Koyama Gallery

南野馨の作品は土を焼いて作った立体作品、陶。陶という言葉が与える“手を使って造形した有機的な形”という先入観に風穴を開け、設計図を書き、型取りし、焼いた後の縮みも計算に入れながら、土によりシャープで無機的な形を作り出す。今回の展示では新しい陶のあり方を追及する南野の新作2点を紹介する。

描く対象と自身との関わりのあり方によって画材や技法を変えながら、絵画、ドローウィング、版画とさまざまな媒体の平面作品を制作し、“描くこと”に体当たりで取り組み続けてきた、O JUN。今回の展示では、学生の頃である1982年に描かれた油彩画から最新作まで絵画作品を一堂に会し、O JUN絵画の集大成ともいうべき展示を試みる。

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南野馨《Untitled 0903》2009年 陶 MINAMINO Kaoru, Untitled 0903, 2009, ceramic

斎藤ちさとは、世界は粒子を基本に構成されているという物理学の考え方にもとづき、見えるものの形を“粒”によって表現することからスタート。それは最初に“米粒”を使った作品となり、次いで“粒”を三つ合わせた“クローバー”による表現に、さらには“気泡”をモチーフにする作品へと展開する。今回の展示では、写真作品と“粒”をテーマにしたアニメーション映像を紹介する。

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O JUN《3m》2006-2007年 顔料、岩絵具、グアッシュ/紙 撮影:山田新治郎 (c)O JUN Courtesy Mizuma Art Gallery

各作家が独自の視点で切り取った“現代”をファイリングした、大きなキャビネットにも例えられる。ファイルを次々と手に取るように、7名の古典をめぐりながら、それぞれの“現代”を楽しんでほしいという意図が込められている。

また、開催期間中、7名の作家によるアーティスト・トークおよびアーティスト・ワークショップが開催される。

【アーティスト・トーク】

3月5日(金)18:00~19:00 アーノウト・ミック
3月21日(日)14:00~15:00 桑久保徹
3月27日(土)19:00~20:30 南野馨、O JUN
4月3日(土)14:00~15:00 福田尚代
4月10日(土)14:00~15:00 石田尚志

【アーティスト・ワークショップ】

3月20日(土)13:30~17:00 斎藤ちさと

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斎藤ちさと 気泡シリーズより《クローバーの絵》2009年 ラムダプリント

『ARTIST FILE 2010』
3月3日(水)~5月5日(水・祝)

会場:国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2[地図を表示]
開催時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
料金:前売券 一般 900円、大学生 400円 当日券 一般 1,000円、大学生400円
※高校生、18歳未満の方、および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は無料

※その他詳細は公式サイトから


展覧会に10組20名様ご招待

本展覧会に、10組20名様をご招待します。応募方法は下記から。

『ARTIST FILE 2010』10組20名様ご招待
日時:2010年3月3日(水)~5月5日(水・祝)
会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)[地図を表示]

【応募方法】

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■応募締切り: 2010年3月17日(水)午後3時

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