きのうは、横浜ボートシアターの『恋に狂ひて』のマチネを見に関内に行ったが、
その帰りに、ここ3、4年、
そう言えば久々に中華街に行きたいなあ、と思いながらも、
横浜と言えばつい実家との往復をするだけで終わってしまい
(行って帰ってくるだけで精一杯。なんせ家から実家までは door to doorでたっぷり2時間かかるし)、
なかなか足を向けられないでいたのが、
きのうは当の劇場が中華街のすぐそばに位置していたので、
劇を見た後ぶらぶらと歩いていき、久しぶりに中華街の散策とあいなった。
久しぶりっていうのはどのぐらい久しぶりかっていうと……、
たぶん東京に戻ってから行っていないので軽く10年以上。
しかし通う時には連続して通った場所だったので、
目当てのお茶屋さんのあるところはだいたいわかるだろうと思っていたのに、
なぜか歩いていっても見つからず、なくなってしまったのだろうかと思って、
散々探し回った後に、最後にあきらめ半分でふらっと入ってみた食料雑貨屋さんで聞いて、
「その四つ辻を左に入ったところ」
と教わり、やっとたどり着いた。つまりその時には、つい目と鼻の先まで来ていたというわけ。
で、わたしのだああい好きな銘柄の中国紅茶をこれもかなり久しぶりに仕入れ
(いや……ネットでも買えるだろうけれど、店頭で手に取って喜びたいタイプなんで)、
ついでにその2階でまだ飲んだことのない種類の黒茶で一服し、
それから、ここまで来た以上は寄らずには帰れない実家に向かった
(そこからまた1時間近くはかかるけど)。
今年はこのように、高尾山といい中華街といい、
積年のささやかな願いがかなう星回りのようなので、
この後も順々にかなっていくかもしれない。
で、肝心の劇はどうだったのかというと、
恋患いに陥った姫君よりも、思わぬ情けをかけられた若君のほうが不運過ぎて、その痛ましさが心に残った。
役者はみんな、自分の演じるキャラクターの人形を抱えて演じるけれど、
人形は表情が変わらなくても、演じるほうの表情があまりにも豊かなんで、痛みや歓びが十分に伝わってきてしまうし。
ただし、タイトルはやっぱり、その悲運の若様にちなんだほうがよかったような気はしたけれどなあ。
もう一度見てみたい部分もあったので、
リピーター割引があったのを思い出して調べてみたけれど、半額にもならないので断念。
個人的には、若様が話の途中で子(小?)天狗に間違えられたのと、
亡くなったお母さんがいたちに化けて出てきたところがなんか気になる。