演劇集団キャラメルボックス(以下、キャラメル)の十八番タイトルのひとつ『また逢おうと竜馬は言った』。
その神戸公演[キャラメルボックスf eaturing D-BOYS]が、6月16日(木)に開演。
平日夜とは思えない客席に感動しつつ、速攻レビューといきたい。
まず最も感じたのは、キャラメルの“青春期の力”そのものだ。
まぁ、初演は1992年で、劇団結成7周年頃なので、結成30年を考えれば“青春”と呼ぶには少し早すぎる気もするけど、思春期といってもいいかもしれない。
とにかく物語もセリフもぜんぶ若かった。
若気の至りみたいな、あの時代だけが持つ独特の熱気や衝動が満載でそれだけで涙が出そうになった。まぶしい若い力にあふれていたのだ。
といっても、ノスタルジーなんかじゃない。
原点に戻るというか、自分の立ち位置を再確認するような感じ。
やはり人は“立ち位置”を決めると強い。
スタート地点があるから、ゴールだって見えてくる。
劇中のセリフにも“ゼロからスタート”というのがあって、ますますそんな風に感じたのかもしれない。
また、キャラメルメンバーや劇団が若い頃だけに持っていた力や空気感を感じることで、劇団30年の歴史もドシーンときた。
ちなみに、物語はわかりやすく“のび太”の成長物語だ。
ドラえもんの代わりに登場するのが“坂本龍馬”で、主人公は龍馬に憧れ、強い男になりたいと願うのだが……ここは軽いネタバレなので、あれだけど。
後半から連続アクションシーンと急展開な演出は、暗転しないキャラメルの独壇場。
キャラメルらしく、ところどころですすり泣き声も聞こえてくる。
はじめに“若い”と書いたけど、そのためか「D-BOYS」のメンバー(陳内将、三津谷亮、山田悠介、前山剛久)も大ハマリ。陳内スゲーぞ。
D-BOYSは見たことなくて申し訳ない(でも、D-BOYSメンバーの兄とは飲んだことがある)。
あと個人的には変わっていくと変わらないもの……もテーマのように感じた。
それは“立ち位置”とも重なる。
あなたは結婚して変わってしまった。
あの人は自分の絵を描かなくなってしまった……なんてセリフがぞろぞろ。
まぁ、最後は××なんだけど。
そのとき「気持ちは試写室で出会ったときのままだ」なんてセリフも思い出し、キャラメルの大きな歴史に巻き込まれたりもした。
今日が、平和堂(田嶋)ミラノさんの誕生日だっただけじゃない。
ものすごいパワーを感じた一夜となった。
これは眠れない。
つづく。
http://www.caramelbox.com/stage/ryouma2016/
https://www.youtube.com/watch?v=ouZRNRJxTkQ