当日は昼まで徹夜してて、睡眠もほどほどに向かったリキッド。前回のツアーよろしく「暗闇ライヴ」ならば、間違って寝てしまうんではないか...などという不安を抱きつつも、到着そうそう入口がもの凄い行列で思いっきりアガり目が覚める。開演から30分くらいで中に入ってRob HallのDJを聴きながら、このあとずっとフロアに。
RobのDJは、オウテカの新しいアルバム発売前に放送されたインターネットラジオ([Ae Radio]という名前で、なんと12時間耐久ノンストップDJ。眠気をこらえつつ、朝の5時からレコーダー廻してガシ聴きしてましたw。音源もほぼ収録できて、その一週間ばかりは何の音源も聴かずにそればっかでしたよ)の選曲にかなり近いイメージ。初期エレクトロ、ヒップホップ、ジャーマン、アシッド、ブリープの心地よい音がスムーズにフロアに流れていて気持ちがいい。こと、リキッドでこの手の音楽を聴いて悪いと思ったためしがないんですねー。PAの上村さん(Fujiの深夜のPA、電気、WIRE、クリーチャーズ、スペアザ等々をやっている最高のライヴPAさん。業界で僕とラーメンのハナシを対等にできるヒトはこの人のみw)のチューニングもばっちりで、一本だけにしようとしていたビールがあっという間に消えました...
2時間ちかくたっぷり流してくれたあとMassonixのライヴ。808 Stateのヒトってことだけしか知らなくて観たんだけど、これがまーホント良い意味でざっくりしたライヴ。トラックとを流しながらソプラノサックス、シンセ(Korg Prophecyでしたね)、ギター(最初爆音で会場全員がビビりましたw)と弾いたり、シーケンスをリアルタイムでTempoいじったり、突然カットアウトしたり。背中で流れていた映像も見事にシンクしていない(爆、なんというか野放しな感じがほほえましかった。ショーンやロブのリスペクトあってのゲストだったんでしょうね。
で、30分くらいまたRobがDJ。その間フロアにはどんどん客が入り、もうかなりごった返している。そして徐々にドリンクスペースや、ボードウォーク、PAのライトが消えてゆき、最後にフロアを照らしていたライトが消えた瞬間、会場真っ暗闇の中On Timeにオウテカのライヴがスタート!!
しょぱなから凄まじい音の塊。彼らのライヴでは定番の機材となったElektron machinedrumとAKAI MPCが悲鳴を上げるが如く、でも一切の歪みを感じない流麗な音像にただただ圧倒。基本的にアルバムの音源をそのまま演奏することの無い彼らですが、今回も要所要所、最新からのフレーズやテクスチャーを忍ばせて、でもその印象はみじんも感じさせないストイックな演奏。視覚的に目立ったシルエットがないため音にとにかく集中して、そのまっすぐに突っ込んで来るリズムに体をあずける感覚が、慣れて来るとえも言われぬ恍惚感になるんです。前回は大阪のATCホールで彼らを観たのですが、その時は会場の大きさもありワンマンでもなかったこともあり、ここまで照明を落としては観ていなかったんですよ。いやー、去年勝井さん(ROVO)に呼ばれて「暗闇でライヴをする」ってのはしましたが、暗闇で聴くっていうのはまた全然違う楽しみがあります。あと思ったんだけど、ライヴでのオウテカのトラックは、まるでパンニング(スピーカーの右と左を使って音を移動すること)を意識的に排除しているのかのような直線的な音に感じる。もちろん時々、その手の処理を施された音が出てくることもあるんだけど、それこそコーネリアスのようにサラウンドなものとは確実に違うビートの押し出し方が感じられる。これはやっぱり彼らの音楽に対しての姿勢や、Hip hopからの影響、モノラルのほうがリズムが強く聴こえる機能性を熟知してやっている気がするし、しかもそれが確実な説得力を持って聴こえるっているのがホントにスゴいなと思う。途中EP[IO (mons)]のフレーズや、アルバムで一番好きだった[Tankakern]のフレーズが出たりするのを声を上げて喜んだりしながら、あっという間の、かっちり1時間のステージで彼らはステージを降りた。いやー、素晴らしいライヴ。
実のところ今日のライヴのために、ネットで流れていたLAでの彼らのライヴを聴いていたんですよ。それで今日、かなりセットリストが似ていたのを聴いてて思ったのですが、どうも大阪では1時間強やってたらしいし、一概に全ての会場が同じセットリストではなかったらしい。ただ、いくらそのセットリストがガチであったとしても、やっぱり直接この音量で浴びるように聴くのとでは臨場感もなにも違い過ぎて、正直比べる対象にならない、っていうのが正直な感想。フレーズの抜き差しも、おそらくあの楽器使っていて全て同じに演奏ってことはほとんど無いだろう。うん、今年上半期に一番いきたかったライブ(2番目はClarkでしたが、大阪にいましたよ...)、眠気を堪えて行った甲斐がありましたよ。
惜しむらるべきは、アルバムと同じカラーのTシャツが買えなかったこと。会場着いて速攻で買っとけば良かったなーとかなり後悔、、、だって着いてすぐフロアが気持ちよかったもんでねぇ、、、あれ、ネットで売ってくれないかなぁ。あ、もしこれ読んでるヒトで、Mサイズ持ってるけどいらないヒトいたら(いねぇだろ)買いまーす(爆。