2008-04-27

チュ事件その3・パンジー逮捕 このエントリーを含むはてなブックマーク 

今度は、パンジーを引き抜いて逮捕された人が出ましたね。埼玉での話ですが。

180本はちょっと多いよね(とはいえ、最初に被害に遭ったチューリップは1000本以上)。私も目の前でやられたら、やっぱり怒るかも知れない。いや、完全に怒る。でも怒りはするけど、逮捕はしない。だって、警察じゃないも~ん。

ところで、この逮捕に一役買ったのが、近頃ご活躍の防犯カメラ。チューリップをなぎ払っているところが映像公開されたのも、この防犯カメラに写っていたからこそです。これがあちこちに設置されるようになったのは、長崎での少年による幼児殺害事件からだったでしょうか。このおかげで、警察の犯罪捜査はしやすくなったと思います。容疑者を検挙できる件数も、きっと多くなったのではないかと思います。

にゃんこも凶悪犯がつかまったのをニュースで知ると、実はほっとします。にゃんこだって、犯罪を犯した人がもしそばでうろついていたりしたら、と思うと怖いのです。でも、花泥棒(正確にはちょっと違うが)がつかまった場合は?

まあ、にゃんこは『ザ・セル』(サイコサスペンス映画・2000年アメリカ)を見て、犯人がかわいそうだと言って泣いたねこだからね。ちょっと感性が偏っているのかも知れないが…。

だって、『ザ・セル』では、犯人も被害者だったんだよ。少年時代に親から虐待されて、その結果倒錯した嗜好を持つようになって(このへん、かなり紋切り型だけど)、快楽殺人に耽るようになったんだ。なのにそのことが物語の中で明かされても、なお犯人は救われずに死んでゆく。なぜなら、物語を見ているみんながそれを望んだからなの。みんなは快楽殺人というとんでもない犯罪を犯した人間を、物語の中でも生かしておくことができなかったの。確かにそれは人間社会では許されることではないけれど、たとえ犯人の心の中の苦しみが垣間見えたとしたって、「悪人は悪人」という硬直した態度で追放することによって安心感を見出す、というのが、あの映画の提供してくれたカタルシスなんだよ。

にゃんこには、防犯カメラの映像を公開してまで、チューリップを切った人を追及しようとする行為はそれと似たことに思えます。社会のルールを破った者を、異端者として徹底排除しなければ気がすまない、という偏狭な社会の思想のように思えるのです。

とか何回にも分けて同じようなことを書いてきてしまったけれど、実のところ花を傷めつけた人たちは実は誰もそれほど複雑なことは考えていなくて、腹いせにも至らないいたずらだったのかも知れないし、今もそ知らぬ顔して花を引き抜き続けているのかも知れない。でも、集団の力が圧力となって、1人の個人に襲いかかる時って、それはそれは強大な力になるんだよ。それだけは、知っておいてもらえれば、と思う。

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Reiko.A/東 玲子

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“human/cat also known as Nyanko A 人間/ねこ。またの名をにゃんこA”


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