2月27日の毎日新聞の夕刊に、アイリーン・美緒子・スミスさんによる「水俣と福島に共通する10の手口」が掲載されていました。
10の手口とは以下のとおり
1、誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する
2、被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3、被害者同士を対立させる
4、データを取らない/証拠を残さない
5、ひたすら時間稼ぎをする
6、被害を過小評価するような調査をする
7、被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8、認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9、海外に情報を発信しない
10、御用学者を呼び、国際会議を開く
この10の手口、昨年11月に行われた「11.3 チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム第五回 震災・原発事故と水俣病」にて、アイリーンさんが発表されたものが発展したものだと思います。
そこで、当初の10の手口を紹介しつつ、補足説明を加えてみました。
1)非常に気をつけて、誰も責任をとらない
(毎日新聞掲載の1:誰も責任をとらない)
2)縦割りを利用する
(毎日新聞掲載の1:縦割り組織を利用する)
3)混乱させる
(毎日新聞掲載の2:被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む)
4)被害者を割る
(毎日新聞掲載の3:被害者同士を対立させる)
5)データをとらない。証拠を残さない
(毎日新聞掲載の4:データを取らない/証拠を残さない)
6)すりかえる
被害者、市民が何かひとつ獲得すると、獲得したものを悪用する。
(毎日新聞のほうには、「すりかえる」はなし)
7)時間かせぎ
(毎日新聞掲載の5:ひたすら時間稼ぎをする)
8)お金がないという
9)国際会議を開く
(毎日新聞掲載の10:御用学者を呼び、国際会議を開く)
10)あきらめさせる
(毎日新聞掲載の7:被害者を疲弊させ、あきらめさせる)
たとえば、6)すりかえる とは具体的にどんな使われ方をしたのかというと、
子どもたちに対して、20ミリシーベルトまでの被曝を限度とする文部科学省やり方に反対する福島の親たちが、文科省と交渉した結果、1ミリシーベルトを目指すと文部科学省は方針転換。海外メディアも含め、大きく報道された。
ところが、実際には、1ミリシーベルトが適応されるのは"学校にいる間だけ"で、通学路は含まれないし、内部被曝は対象外。
つまり、「1ミリシーベルト」というアドバルーンだけあげて、実際の内容はそうではないということ。
ブログで、他の手口についても補足しています。
補足「水俣と福島に共通する10の手口」
http://yummyseaweed.seesaa.net/article/254519904.html
アイリーンさんは、政府や県、企業のやり方に、変だなと思うことがあれば、
「これは、10の手口のうちの“すりかえる”だ!」
などと、指摘しつつ、より、実情にあった手口を加えたりしていけばいい、といわれていました。